尼崎市議会 > 2009-03-02 >
03月02日-04号

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  1. 尼崎市議会 2009-03-02
    03月02日-04号


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    平成21年  2月 定例会(第19回)        第19回尼崎市議会会議録(定例会)第4号        --------------------◯議事日程    平成21年3月2日 午前10時 開議第1 議案第43号 尼崎市福祉医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例について第2 議案第44号 公衆便所の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例について第3 議案第46号 尼崎市都市公園条例の一部を改正する条例について第4 議案第69号 尼崎市介護保険条例の一部を改正する条例について第5 議案第67号 尼崎市農業共済事業事務費の賦課総額及び賦課単価について第6 議案第1号 平成21年度尼崎市一般会計予算第7 議案第2号 平成21年度尼崎市特別会計国民健康保険事業費予算第8 議案第3号 平成21年度尼崎市特別会計地方卸売市場事業費予算第9 議案第4号 平成21年度尼崎市特別会計用品調達事業費予算第10 議案第5号 平成21年度尼崎市特別会計育英事業費予算第11 議案第6号 平成21年度尼崎市特別会計農業共済事業費予算第12 議案第7号 平成21年度尼崎市特別会計都市整備事業費予算第13 議案第8号 平成21年度尼崎市特別会計公共用地先行取得事業費予算第14 議案第9号 平成21年度尼崎市特別会計公害病認定患者救済事業費予算第15 議案第10号 平成21年度尼崎市特別会計母子及び寡婦福祉資金貸付事業費予算第16 議案第11号 平成21年度尼崎市特別会計青少年健全育成事業費予算第17 議案第12号 平成21年度尼崎市特別会計介護保険事業費予算第18 議案第13号 平成21年度尼崎市特別会計後期高齢者医療事業費予算第19 議案第14号 平成21年度尼崎市特別会計老人保健医療事業費予算第20 議案第15号 平成21年度尼崎市特別会計駐車場事業費予算第21 議案第16号 平成21年度尼崎市特別会計廃棄物発電事業費予算第22 議案第17号 平成21年度尼崎市特別会計競艇場事業費予算第23 議案第18号 平成21年度尼崎市水道事業会計予算第24 議案第19号 平成21年度尼崎市工業用水道事業会計予算第25 議案第20号 平成21年度尼崎市自動車運送事業会計予算第26 議案第21号 平成21年度尼崎市下水道事業会計予算第27 議案第70号 平成21年度尼崎市一般会計補正予算(第1号)第28 議案第71号 平成21年度尼崎市特別会計国民健康保険事業費補正予算(第1号)第29 陳情第5号 下水道使用料減免制度継続等についての陳情 ---------------------------------◯出席議員 1番     森村太郎君 2番     土田裕史君 3番     北村章治君 4番     河村慶彦君 5番     福島さとり君 6番     開 康生君 8番     弘中信正君 9番     都築徳昭君10番     酒井 一君11番     吉岡健一郎君12番     長崎寛親君13番     宮城亜輻君14番     前迫直美君15番     亀田孝幸君16番     寺坂美一君17番     丸岡鉄也君18番     津田加寿男君19番     今西恵子君20番     広瀬早苗君21番     義村玉朱君22番     塚田 晃君23番     丸尾孝一君24番     騰 和美君25番     安田雄策君26番     杉山公克君27番     真鍋修司君28番     上松圭三君29番     蔵本八十八君30番     北村保子君31番     早川 進君32番     高橋藤樹君33番     辻  修君35番     塩見幸治君36番     小柳久嗣君37番     仙波幸雄君38番     畠山郁朗君40番     荒木伸子君41番     波多正文君42番     寺本初己君43番     高岡一郎君44番     松村ヤス子君45番     田村征雄君 ---------------------------------◯議会事務局事務局長    辻本 守君事務局次長   高見善巳君議事課長    播磨美行君 ---------------------------------◯地方自治法第121条の規定による出席者市長      白井 文君副市長     中村 昇君副市長     江川隆生君会計管理者   末澤友章君企画財政局長  小寺敬二君総務局長    森  進君環境市民局長  浅野悟郎君医務監     大橋秀隆君健康福祉局長  山本博久君産業経済局長  岩田 強君都市整備局長  中村慶生君消防局長    吉田 寛君水道事業管理者 木村昭一郎君自動車運送事業管理者   阿万幸雄君企画財政局総務課長    白畑 優君教育委員会委員長     仲野好重君教育長     村山保夫君選挙管理委員会委員長     桑田茂樹君代表監査委員  須賀邦郎君 ---------------------------------(平成21年3月2日 午前10時 開議) ○議長(塚田晃君) これより本日の会議を開きます。 日程に入るに先立ち、会議録署名議員の指名を行います。会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、議長において津田加寿男君及び土田裕史君を指名いたします。 この際、事務局長から諸般の報告をいたさせます。 ◎事務局長(辻本守君) 御報告いたします。 現在の出席議員は42人であります。 次に、本日の議事日程は配付いたしましたとおりであります。 報告事項は以上であります。 ○議長(塚田晃君) 日程に入ります。 日程第1 議案第43号 尼崎市福祉医療費の助成に関する条例の一部を改定する条例についてから日程第28 議案第71号 平成21年度尼崎市特別会計国民健康保険事業費補正予算(第1号)まで28案を一括議題といたします。 2月27日に引き続き、代表質疑を行います。 発言を許します。 早川進君。   (早川 進君 登壇) ◆31番(早川進君) 日本共産党議員団の早川です。会派を代表して、市長の施政方針、各予算案及び“あまがさき”行財政構造改革推進プランについて質疑いたします。 4年ぶりの代表質疑となります。4年前、私は構造改革路線が格差を広げ、大企業の膨大なもうけと中小零細企業の苦境、労働者の賃金の低下が不安定な社会をつくり出すと指摘させていただきました。まさに今日の状況は指摘したとおりの状況になっています。 内閣府が16日に発表した2008年度10月から12月期の国内総生産GDPは、実質で前期比3.3%の減、年率換算12.7%の減となったニュースは衝撃を与えました。この発表を受けての2月17日付の新聞各社の見出しは、毎日新聞では「衝撃 石油危機以上 輸出依存体質響き」、日経「外需依存の成長、岐路」、読売新聞でも「外需頼み、転換かぎ」といったものでした。極端なまでに輸出に依存した経済成長の破綻です。与謝野馨経済財政政策担当大臣は戦後最悪の経済危機と述べているように、金融危機の震源地であるアメリカよりも急激な落ち込みだったからです。 なぜこんなことになったのか、この背景には小泉内閣以来の構造改革があります。構造改革を掲げた2001年4月の小泉内閣が発足して以来、内閣府のGDP統計によると、所得や個人消費は低迷しているのに輸出が極端に伸びました。財務省の法人企業統計をもとに資本金10億円以上の製造業、大企業の2001年度と2007年度の比較をすると、経常利益は2.25倍にふえています。あわせて株主への配当と社内留保が大幅にふえました。ところが従業員給料は0.98倍と逆に減っています。また、民間信用調査会社の調査では、法的整理による企業の倒産がふえており、ほとんどが中小企業です。自動車、電機など輸出大企業を中心に従業員や中小企業・業者にしわ寄せをする形で大もうけをし、専ら株主に還元するという構図です。 アメリカと財界の要求に従って競争市場主義で大企業や銀行を応援し、弱肉強食の社会をつくり出し、一部の大企業は史上空前の利益を上げる。一方、尼崎に多くある中小零細企業の多くにとっては単価の切り下げが強要される。働く市民にとっては労働力の流動化という名目で行われた派遣労働の拡大が個人所得を減らし続ける。そんな改革が当たり前のように進んだ9年間だったんです。 さて、一昨年、金融市場主義の経済運営を行ってきたアメリカ経済が金融バブルの崩壊を引き起こしました。さらに、株式ファンドに投資されていたオイルマネーなど資金が原油相場や穀物相場へと切りかえられることによる物価高、原油高が市民生活を直撃しました。半年後にはアメリカ経済の急速な冷え込みが明らかになり、外国の経済成長に頼り切った外需頼みの日本の大企業群が企業収益を落とし始め、生産調整に入るなどの局面を生みました。結果として大企業は資産を保全する、また投資家が離れることを嫌い、高額な配当を保証しながら下請けの中小零細企業を犠牲とし、調整弁のように期間工、請負、派遣の労働者の雇いどめで仕事を失う事態を引き起こしています。この状況は、昨年末の年越し派遣村の報道などで皆さんも御存じのところだと思います。 一企業が経営の危機を乗り切るために行うだけでも大問題なのですが、国を挙げて支援をしてきた自動車、電機などの輸出大企業が一斉に行ったことにより、国全体に広がりました。構造改革路線によって個人所得が落ち込んでいる中、一気に国民の購買力を落とし、内需中心の産業までその影響が広がりました。その顕著な例が、お隣の伊丹市などで事業を展開するダイハツが生産調整、減産に入ったことでも明らかです。国内での軽自動車の売り上げを伸ばし続けていたダイハツが派遣切り、期間工切りを行うという事態が起こっています。 リーマンショック直後、日本政府も経済界もバブル崩壊を立て直した日本の手法を世界に伝授するとしていましたが、世界に伝授するどころか国内の不況を乗り切る方策も手詰まりというのが現状であり、政府の無策を示しています。 市も、推進プラン2月見直しの総括で、今回の景気の減速は100年に一度と言われるほどと記されています。まず、お尋ねします。100年に一度と言われる景気の減速はなぜ起きたのか、市長の認識をお聞かせください。さらに、金融破綻による世界同時不況の震源地であるアメリカよりも日本の国内総生産GDPが急降下した背景には、私は小泉構造改革があると考えますが、市長の認識をお聞かせください。 未曾有の大不況で苦難している市民をいかに守るか。その立場に立つのが地方自治体の責務であり、国と自治体が対等・平等の分権社会の精神からすれば、市役所、市長、そして市議会が国に対して経済政策路線の転換を求めるのが大きな仕事であろうと思います。 さて、私たち日本共産党議員団は、年末から年明けにかけて市民の皆さんに緊急の市政アンケートを行いました。回答をいただいた2,000人を超える市民の皆さんにこの場をかりてお礼を申し上げます。 さて、このアンケートの第1項目で「日々の暮らしは以前に比べてどうですか」と問わせていただいたところ、70%を超える回答者が「苦しくなった」とお答えになられています。ここ数年の小泉構造改革による社会保障の連続後退、年金の削減、働く市民の所得の減少などで痛めつけられた上に、投機による物価の上昇なども相まって苦しい生活を余儀なくされている市民の皆さんの悲鳴のような訴えが届けられています。第2次小泉改造内閣厚生労働大臣として社会保障費のマイナスシーリングを推進した一人である自民党の尾辻議員でさえ、1月30日の参議院本会議で、社会保障のシーリングを一たん凍結した予算案に対して、乾いたタオルを絞ってももう水は出ない。いさぎよく2,200億円のシーリングはなしと言うべきだと述べるなど、構造改革路線社会保障費削減路線の破綻を認めざるを得なくなっています。 また、地方自治体への三位一体の改革として行われた地方への補助・負担金減らし、地方交付税の削減によって、多くの自治体が厳しい財政運営を強いられています。全国知事会は昨年7月、三位一体改革が断行された2004年から3年間で国庫補助負担金は4.7兆円、地方交付税は5.1兆円がそれぞれ削減され、一方、国から地方への税源移譲はわずか3兆円しかなく、地方自治体にとっては差し引き6.8兆円のマイナスであることに触れ、このままでは2011年度までに地方自治体の財政が破綻するという衝撃的な試算を発表しています。 とりわけ、尼崎市のような地方交付税が財政に占める割合が高い自治体の財政は深刻です。実際に尼崎市の2003年度の交付税は238億円でした。しかし、08年度予算で見ると176億円で、マイナス62億円となっています。 国会でも、2月12日の衆議院本会議で鳩山総務大臣が、急激にやり過ぎた失敗の部分があると答弁、三位一体の改革の破綻を認めました。国の構造改革路線が市民生活にも自治体財政にも大きな影響を与え続け、構造改革路線の基本となった新自由主義経済カジノ経済運営が破綻しているというのが現状であり、その認識を持つことが重要です。 お尋ねします。 私は、国の構造改革路線は破綻しており、国の財政運営を改めさせなければ地方自治体の財政も、ひいては市民の生活を守れないと考えますが、国の構造改革路線の破綻に対する市長の認識をお聞かせください。 小泉構造改革の推進者が今ざんげの書を書いたことで、週刊誌上などで取り上げられている本があります。小泉流の構造改革をめぐる、居直る竹中平蔵元経済財政政策金融担当大臣と対照的に、ざんげの書を書いたのは中谷巌さんです。中谷氏は、小渕内閣の経済戦略会議の議長代理として構造改革の提言をまとめた中心人物でした。竹中氏も同会議のメンバーの一人でした。中谷氏は「資本主義はなぜ自壊したのか」という著書の中で、一時、日本を風靡した「改革なくして成長なし」というスローガンに触れ、新自由主義の行き過ぎから来る日本社会の劣化をもたらしたように思われるとして、貧困率の急激な上昇が日本社会にさまざまなゆがみをもたらしたと指摘。かつては筆者もその改革の一翼を担った経歴を持つ。その意味では、本誌は自戒の念を込めて書かれたざんげの書でもあると書いています。まさに構造改革路線の破綻と言わざるを得ません。 さて、この立場に立って、施政方針、予算についてお尋ねいたします。 まず、予算づくりのプロセスの問題です。来年度予算編成については、6月の調整方針において基本的方向が示され、10月の予算編成方針に基づいて各局との予算のすり合わせが行われています。調整方針が示された6月の時期は、アメリカの金融バブルの崩壊が日本経済に与える影響がまだ十分に認識されておらず、国の三位一体の改革、骨太の方針に従った行財政構造改革推進プランに従った方針が示されました。基本的な考え方とした全体方針では、本市を取り巻く社会経済環境が日々急激に変化しているとするだけでした。これは、構造改革路線でさらなる変化があることを示すものであったと考えます。 さらに進めて10月段階でも、地方交付税の最終算定で約10億円の地方交付税の算定差による減収が明らかになり、さらにこの時期から景気減速による扶助費の増加、落ち込み始めた法人市民税などに言及するようになっています。そして改革プラン11月見直しの総括では、景気変動などの影響により、法人市民税の減収や生活保護費の増加による扶助費の増及び地方交付税の減など、当初予算よりさらなる収支悪化が見込まれる状況にあるとして、さらなる構造改善を進めるとしています。そして、今期議会に示されている予算案、そして推進プランで、急激な不況の進行を100年に一度の出来事と受けとめており、対応としては、行財政運営では改革プランで今後、景気の動向を注視し、国・県などの動向も見据えながら、プランの構造改善目標等については09年度中に再考するとしています。また、緊急経済対策の取り組みもあわせて行われているようですが、100年に一度の危機的な状況が尼崎市財政を襲っている認識はここで明らかにされます。 しかし、100年に一度の危機的な状況にさらされているのは市財政だけなのでしょうか。市民の生活に対する配慮が見えないというのが、私だけでなく多くの市民の皆さんの受けとめなのではないでしょうか。 4年前の代表質疑でも指摘させていただいたように、骨太の方針に従った三位一体の改革を肯定し、構造改善を進める姿勢は、市民生活を顧みない方針と断じてきました。今回の予算の説明でも、プランの見直しについても、また緊急経済対策でも尼崎市民の顔が見えません。 市長は2月議会冒頭の施政方針演説で、3つの視点に立ってとその基本方向を示されました。その視点は、第1番目として、昨年後半からの世界同時不況とそれに伴う円高の様相が明らかになるにつれ、本市でも法人市民税を初めとする市税収入の大きな落ち込みが見込まれ、構造改革を進める上で大きな負担となっています。このような状況にあって、今日的な課題に対応するためには、事業や施設の見直しによって財源を生み出すしかありません。そのため、継続して事務事業や施設の必要性や有効性、効率性を精査し見極めることによって、より優先度の高い事業に財源を振り向けてまいりますと述べられ、一層のプラン項目の推進を掲げられておられます。 しかし、市長が第1の視点と述べている世界同時不況の影響は市民生活に色濃く反映しており、生活への影響が深刻化してきています。そのことは生活保護世帯の増という形で、また、決して全国的に見て高くなかった有効求人倍率がさらに落ち込みを見せるなどし始めています。 しかし、施政方針演説でこの不況対策にふれられた部分はわずかに数行です。未曾有の100年に一度の不況であるという認識を持ちながらも中小零細企業への信用保証料の4分の1助成しか触れられなかったというのは、市民生活に責任を持つ基礎自治体の長の姿勢としていかがなものなんでしょうか。 まず、お尋ねします。 市長においては、現下の厳しい経済情勢のもとに置かれた市民の生活をどのように見られ、福祉の増進を目指す地方自治体の責務を果たすために、100年に一度の危機的な状況に置かれた市民を守るためにプラン11月見直し以降、予算や施政方針をどのように充実されたのか。この質疑をこの場で、またネットで傍聴する市民にわかりやすく御答弁ください。 さて、第1の視点に立っての見きわめの結果が今予算であるのでしょう。しかし見きわめの方向は、今回市長が提案された方向でいいのでしょうか。多くの識者が失敗したと広言している構造改革路線に自民、公明の連立内閣がしがみつき、さらなる構造改革もしくは構造改善を求めていることに従って、見きわめて事業の選択が進められています。しかし、市当局自身が推進プランの総括でも述べているように、先行きが不透明で景気の上向く兆しすら見えない中、市民をいかに守るのかを見据えた事業展開が見られません。逆に1月末に、推進プランに基づく予算の論議も始まっていないのに下水道の減免制度の廃止を対象世帯に郵送するなど、低所得の市民の生活を直撃する施策の推進を今日的な見直しとして行われる姿勢などは問題ありと言えます。 お尋ねします。 市民生活が厳しい状況にある認識があるなら、本来ならば来年度予算においても、市民生活を守る立場に立って、プランによる市民生活に大きな影響の出る施策については見直しを行い、先送りが必要だったのではないですか、御答弁願います。 さらに市長は、未来の子供たちに現在の負の遺産を残さないと言っていますが、現下の経済情勢は、将来に備えるよりも今の子供たちをどのように守るのかが問われるものになっていると考えます。現在の要保護、準要保護世帯の児童数は、全生徒の3分の1近くに迫っています。ここ数年の伸びの低下は、生活保護世帯の増加を考えれば、底を抜けて保護に移行する世帯があり、新規世帯の増加があると考えられます。まず、調整方針などで厳しく枠配分を行っている事務事業の見直しを、市民生活を守るものへと改めるべきと考えます。そのことによって収支のバランスを取る年次が遅くなったとしても、地方自治体の本来の役割を果たしていくことが必要と考えます。 お尋ねします。 生活弱者と言われる高齢者、障害者、そして少子化対策として支援が求められる子育て世帯に対するプラン項目を凍結し、生活を守るものに組みかえることを求めます。いかがですか。 「法人市民税減収で財源厳しく」と大見出しをつけた25日の新聞報道で、県下の各市の主なコメントが紹介されています。幾つかの町を紹介しますと、神戸市は、厳しい財政状況の中、市民不安を払拭することが市政の最重要課題。市政の下支えを今まさに実行することが重要と決断したと書かれています。 明石市は、交付税が減り、財源確保が難しい状況。限られた財源を教育や福祉、子育てなど市民生活に直結する部分に重点配分した。また、お隣の西宮市は、医療費助成など安全・安心のための事業を優先した。市長公約からは45項目を予算に反映させたと書かれています。 同じ欄にこの明石市と西宮市に挟まれる形で紹介された尼崎市のコメントは、基金残高が8億円になるなど厳しい。負担を先送りしないよう事業見直しなどしていきたいというものでした。神戸市や明石市、西宮市の予算の実態は分析していないので明らかでありませんが、このコメントを読んだ市民は尼崎市政をどのように受けとめるのでしょうか。 次に、市長の基本的な政治姿勢と今後の取り組みについてお尋ねします。 4年前の私の諸問題の代表質疑に対して市長は、市民とともにまちづくりを推進していくことは私の基本姿勢であり、市民生活に深くかかわる施策をつくり上げていくに当たっては、議会や市民の御意見を聞くとともに、行政がしっかりと説明責任を果たすことが大変重要であると考えるとお答えになっておられます。実際に経営再建プログラム項目として支所の統合が出され、多くの市民、そして議会が意見を上げました。これを受けて、行政計画として決まっていたこの課題を一たんとめて市民と繰り返し話し合いを行う、議会と協議する協議会をつくり論議を重ねるなど、市民とともにまちづくりを行う姿勢が随所に見られました。 しかし、ここ数年の市長の行財政の進め方は、市民懇話会、パブリックコメントなどの市民の声を聞く手続は踏んでおられますが、「形式上は」というまくら言葉がつけられるものであると言わざるを得ません。市民の声は聞いた、聞いて行政計画を立てた、立てた計画は理解を求めるために説明したと形式化されているような筋書きとなっているのではないでしょうか。その一例が、昨年の予算で私たち会派が修正を求めた常光寺小学校跡地活用の方針であり、保育所民間移管ではなかったのかと考えます。 この1年間、一般質問、総務委員会の陳情審査の中でも所管課は、懇話会で市民の声を聞いた、パブリックコメントを行ったとして、十分に市民の声を生かした計画づくりをしたと答弁してきました。しかし、並行して行われている大庄中部のまちづくり委員会のあり方を追及する会派議員の質疑に対して、社協の支部に推薦依頼した委員は団体代表、PTAに依頼したのは子供を持つ個人と答えておられます。これは、会に参加するPTAの代表がPTAと地域の意見の違いを心配しているとの会派議員の問いに答えたものです。1月閉会中審議の所管調査に対する答弁ですが、このとき私の常光寺跡地活用の検討のときの連協代表の立場も今回と同じかとの問いに対して、所管課長は同様であると答えました。 しかし、見直しを求める運動を行っている方々には、代表を送り出した連協の副会長や連協傘下の単組の会長もおられ、会に参加しての発言の内容からは連協で検討を行ったことはないと述べておられるように、地域の集約された意見ではなかったことが明らかになっています。市担当が住民の総意として市長に報告したのは一部の声ということになります。見直しを求める市民の声は、報告、検討された少数意見だったというものではありませんでした。ですから、見直しを求める署名が周辺地域から多数寄せられる、市長が市民の声を聞いてつくった計画と力説しても納得できない、そんな状況が起こっていると言えます。4年前の支所問題で丁寧な聞き取りを行ったことと違う形が昨年来続いているというのが現状でしょう。大庄中部のまちづくりの方針づくりでも同じ轍を踏まない方策が必要です。 また、十分に住民理解を得ないまま財政的な問題からスタートした保育所の民間移管も、こじれて裁判になる事態を引き起こしています。市長が4年前に私の質疑に答弁したのは、繰り返しになりますが、市民とともにまちづくりを推進していくことは私の基本姿勢であり、市民生活に深くかかわる施策をつくり上げていくに当たっては、議会や市民の御意見を聞くとともに、行政がしっかりと説明責任を果たすことは大変重要である、とはそごを来しているのではないですか。 改めてお尋ねします。 市長が基本姿勢と述べられた情報公開と市民参画は、4年前の市民生活に深くかかわる施策をつくり上げていくに当たっては議会や市民の御意見を聞くとは、とりあえず聞いた、出した行政計画は変えません、御理解をというものに変わってしまってはいませんか。お答えください。 1問目の最後に、教育問題についてお尋ねします。産業高校、東高校を統合する新高校建設についてお尋ねします。 この問題では私たちの会派は、カリキュラムの外郭も固まらない中、いたずらに統合校の建設を急ぐべきではないとして、昨年の予算案に対して修正の提案を行わせていただきました。残念ながらこの修正については否決されましたが、急がず進めるべきであろうという考え方は今も変わっていません。 さて、予算議決後、6月議会に建設工事の入札の議案を提出しながら、落札業者が資格審査が不十分であったとして議案が撤回される事態が起こり、2010年4月の開校に暗雲が漂いましたが、9月の再度の提案で工期の短縮を落札業者と協議するとして議会にかけ、無理のある計画の推進を行おうとした経過もあります。それでなくても窮屈な日程だったものが、ことしに入って敷地内から有害物質の鉛が検出され、今工事がとまっていると聞いています。3月中には全敷地の調査を行い工事を再開するとしていますが、このことによってさらに4月開校は難しくなったと考えます。 先日、中学校3年生の生徒を持つ保護者から、産業、東の統合はどうなっているのか、学校から配られた文書はどういう意味なのかと問い合わせを受けました。翌日、教育委員会にその文書を見せていただきましたが、その内容は、4月開校は難しいというものでした。今回の文書の発表は19日付で学校長に送付されており、東高校の特色推薦、産業高校の推薦入試の試験の後に送付されており、この春中学校を卒業して産業、東を目指す子たちに対して申し開きが立ちません。子供たちの落胆の顔が浮かびます。 そもそも、カリキュラムも確定できず、入札の失敗があった時点で、当議員団は、校舎だけを完成させて開校するとした方針は工期の短縮は無理があると開校を延ばすように主張してきました。開校を延ばして万全の体制で新高校をスタートさせるべきであったと考えます。無理を重ねた上に今回の土壌汚染です。これ以上の無理を重ねることは工事に危険を伴い、また年度途中の移転には機械、電気といった専門分野での実習機械などの運用にも支障が出ると考えます。 お尋ねします。 今年度の入学者に対して事情をしっかりと説明し、わびるべきはしっかりとわびて、開校年次を1年延ばし、次年度の春から開校とすべきではないでしょうか、御決断をお願いします。 最後に、学校耐震化の問題です。 阪神間各市と比べて遅れていた耐震化を急げと常々申し入れをしてきましたが、国の緊急経済対策を活用して一定の前倒しが可能になったことは評価しますし、一層の対策をお願いしたいと思います。しかし、この耐震化推進計画から外されている統合予定校の事業展開をいかがお考えなのでしょうか。 小田地域にある若草中学校、小田南中学校の統合は、該当校のPTAが強い反対の意思を示し難航していると聞いています。統合は地域の意見に従って行うもので、無理に進めることは絶対にいけないと考えますが、しかし、どちらか統合する学校の耐震化だけを進めるとして推進計画から除外している今の方針では、小田南、若草の両中学校、そして長洲、清和の各小学校の耐震化が進みません。小・中学校の耐震化推進計画発表時にも、簡易耐震診断すら外していた問題として実施を要求した経過がありますが、小田南中学校の校舎は緊急度の高い1と判断されています。統合の予定が立たないので後年次に送っていいというものではありません。同じように、大庄中部地域の統合予定校、若葉、西、成徳、大庄の各小学校、啓明中なども同じです。 お尋ねします。 統合予定校の耐震化工事をいつ行おうとしているのか、時期を明確に御答弁ください。 これで、第1問を終わります。(拍手) ○議長(塚田晃君) 答弁を求めます。 白井市長。   (白井 文さん 登壇) ◎市長(白井文さん) それでは、早川議員の代表質疑に対しまして順次お答えを申し上げます。 まず、100年に一度と言われる景気減速の原因及び日本のGDPの急降下についてのお尋ねでございます。 今回の急激な景気の減速については、アメリカの金融問題に端を発した世界的な金融危機を契機に、我が国の経済を支えてきた輸出等の外需面の減少に加え国内需要が停滞し、雇用情勢の急速な悪化や消費の低迷に一層の拍車がかかるなど、短期間のうちに悪循環を起こしたことによるものと考えております。 なお、今般の日本の社会経済状況が悪化している背景に小泉構造改革があるのかどうかについては、有識者からそうした意見があることは存じておりますが、さまざまな角度から判断する必要があると考えております。 次に、国の構造改革路線に対する認識についてのお尋ねでございます。 国の構造改革路線に対する評価は難しいものがございますが、中央から地方へという地方分権を目指した三位一体改革における地方交付税改革では、本来地方交付税が有する財源保障機能が弱まったと言わざるを得ない状況であります。収支が大きく乖離している本市にとっては、地方自治体の実態に見合った地方交付税の制度設計がなされるべきであり、地方6団体を通じた要望など、引き続きあらゆる機会をとらえて国や県に要望してまいります。 次に、厳しい経済情勢下の市民を守るため、予算や施政方針をどのように充実させたのかといったお尋ねでございます。 昨年の秋以降の急激な景気の後退は、本市においても市民や事業者の生活にも大きな影響を及ぼしているものと認識いたしております。平成21年度当初予算におきましては、昨年の11月以降法人市民税の大きな落ち込みが見込まれたことなどから、基金の取り崩しなどの財源対策に加え、緊急的な措置として人件費の削減やイベント経費の縮減等を行い、安全・安心を中心とした新たな市民ニーズや今日的な行政課題に対応した施策を講じるための一定の財源を確保してきたところでございます。 また、本市の経済対策といたしましては、昨年11月から中小企業向けの資金融資制度の要件及び融資利率の緩和を実施したほか、本年2月から融資限度額の引き上げ及び信用保証料助成の実施、本市の臨時的任用職員への新たな離職者の登録枠の設置、解雇等により社員寮等から退去を余儀なくされた求職者への市営住宅の一時入居募集などを行ってきたところでございます。 さらに、平成21年度補正予算においても、国の経済対策を活用した緊急雇用創出事業など、雇用面の新たな対策にも取り組んでいくこととしております。 次に、市民生活に大きな影響の出るプラン項目は先送りが必要だったのではないか、また、高齢者や障害者及び子育て世帯などに対するプラン項目は市民生活を守るものに組みかえるべきではないかといったお尋ねでございます。 本市の厳しい財政状況下では、今日的な課題や新たな市民ニーズに対応するためには、既存事業の見直しなどによって財源を生み出し、こうした限られた財源を効率的、効果的に活用しなければならないような状況に直面しております。このため、構造改革につきましては先送りすることなく取り組み、市民生活に影響があるような項目についても見直していかなければならない状況にあります。しかしその一方で、子育て世帯や援護を必要とする高齢者への見守り、障害者の自立促進、また学校施設の耐震化や特別養護老人ホームの整備推進など、安全・安心を中心をした新たな課題や市民ニーズに的確に対応してまいりたいと考えております。 次に、議会や市民の意見を聞くという基本姿勢についてのお尋ねでございます。 各種施策を進めるに当たっては、さまざまな機会をとらえて市議会と市民の皆様には十分な情報提供と意見の聞き取りに努め、説明責任を果たしていく所存であり、市民や議会の意見を聞きながら市政に取り組むという私の基本姿勢は変わるものではございません。しかしながら、市民の皆様からいただく御意見等は多種多様であり、相反する御意見がある中で、すべての方に納得していただくことは非常に難しいことであるのも事実であり、最終的には行政としての判断を行うことも責務であると考えております。 以上でございます。 ○議長(塚田晃君) 村山教育長。 ◎教育長(村山保夫君) まず、新高校の開校年次を1年延ばし、次年度の春から開校とすべきではないかといったお尋ねでございます。 (仮称)尼崎双星高校につきましては、平成22年4月に新校舎で開校することを目指し取り組みを進めてまいりましたが、建設汚泥から環境基準値を超える鉛とセレンが検出されましたため工事を一時中断し、現在、敷地全体の土壌調査を行っております。この調査に要する期間は本年の3月末ごろまでとなっており、こうした状況を考慮しますと平成22年3月末までに新校舎を完成することは困難になっております。今後、土壌調査の結果を踏まえる必要はありますが、教育委員会といたしましては、双星高校の開校を待ち望んでいる生徒たちの期待にこたえるため、現時点では平成22年度に開校してまいる考えでございます。 次に、統合予定校の耐震化工事をいつ行おうとしているのかといったお尋ねでございます。 耐震化事業は子供たちの安全・安心を確保するという最優先の事業であり、統合対象校につきましても放置できるものではないと考えております。耐震化計画を出しました時点におきましても、統合対象校の保護者等学校関係者の方々には、優先度ランク1の校舎については平成24年度中に耐震補強工事を実施していく旨、お知らせをしております。そのためには平成23年度に耐震診断及び設計を行う必要があり、平成22年度には統合の実施について何らかの結論を出さなければならないと考えており、現在も引き続き関係者と協議を行っているところでございます。 今後、可能な限り早期に耐震診断を実施できるよう努めてまいります。 以上です。 ○議長(塚田晃君) 早川進君。   (早川 進君 登壇) ◆31番(早川進君) 種々の御答弁をいただきました。教育委員会には、統合予定校の問題ですけれども、22年度中に結論を得るということですが、住民の声をしっかりと聞いて、その結論を出していただきたいと要望しておきます。 さらに、新高校の開校年次の問題ですが、一つは私は、汚泥が出たのは1月初旬の話でした。それを2月19日という推薦入学が決まるまでの間に出さなかったことに対しては強く反省をしていただきたいと思います。学校選択の一つの基準であったと思うんです、新高校に移行するというのが。それと、無理やり年度途中に移行させるというのは、私も武庫荘高校の1回生で12月に移行した経験がありますが、子供にとってやはり大きな負担がかかる問題であり、実業校であり、機械などの設備が必要な授業を行っている途中での移転になりますので、そういうことを考え合わせたとき、年度にしっかりと合わせた計画にすべきだろうと強く思いますので、再考をお願いしたいと思います。 さて、景気の減速の問題ですが、市長の御答弁を聞いていますと循環型の問題のように受け取れます。しかし今、多くの識者の方が言われていることは、これは景気の循環としての不況ではなくて人為的なものであって、構造改革によって内需が落ち込んでいる、一人一人の国民の購買力が落ち込んでいることに大きな原因があり、それをつくり出したのが構造改革路線であるという言葉はもう多くの識者が言われていますし、もともときょう御紹介しました中谷氏のように、構造改革を推進した方も同じことを言われています。構造改革路線というものに対して中谷氏は自戒という言葉を使っておられるわけですが、ざんげというのは宗教用語であって、反省とか総括とかいう意味ではないんですけれども、妄信をしていたものに対してそうじゃなかったと、そういうことを言われていたと思いますので、市長の考えを改めていただきたいと考えています。 それと、経済対策を行っている、またそのほかにも不況対策を行ってきたということですが、私が予算の内訳を見てみますと、一つ一つの予算については、国の緊急対策が行われた補助金が入って、その分の範囲内でしか行われていないと感じています。財源は大変苦しいのでしょうけれども、緊急経済対策を行うのであればやはり市のしっかりとした姿勢も見えるようにしていただきたいのと、神戸や西宮、明石が重点を置いたと言われているのに財源が厳しいから事業の見直しを行ったというふうなコメントが発表されるような事態が、市民の安心・安全を考えているものとは考えにくいと考えています。 第2問に入ります。 厳しい財政状況は理解しますが、激しいリストラであった経営再建プログラムを行い、当面の財政再建団体転落が回避されている状況の今、厳しい不況の中で進められる事業の見直しについて幾つか提案を行います。 まず、国民健康保険制度を初めとした医療、介護の制度です。市長は施政方針でもヘルスアップ事業で医療費の適正化を挙げておられますが、さきに紹介した議員団のアンケート調査の中では、特に要望が強かったのが国民健康保険料など医療保険の負担の引き下げでした。16%に上がりました。さらに、この数値に後期高齢者医療制度や介護保険の保険料を足すと、30%を超える回答者が「医療保険の額が高い」と答えておられます。また、それに続くものとして医療費の窓口負担が10%と上げられているように、回答者の多くが医療介護の負担に苦しんでいます。 また、別の設問項目として取り上げた医療、福祉の充実で最も多く回答のあったものに、長期間になっても安心して入院できる病院が挙げられました。この2つは、構造改革路線の自助、自立路線で福祉の総抑制の一環として進められたいた社会保障の2,200億円のマイナスシーリングの結果として起こっていることであることは言うまでもありません。 小泉改革が始まってから、テレビのCMでやたらと保険会社の広告がふえたと感じていませんか。国の関与する健康保険制度を解体し、生命保険会社の保険に移行させる。医療費の総抑制として長期入院を認めないなどの改革が引き起こした問題です。9月議会で会派議員も取り上げましたが、憲法25条の生存権を保障するために市民とその市民を支える地方自治体が国民皆保険制度をつくり上げてきたものを大後退させたことに大きな問題がありました。まず、2,200億円の社会保障のマイナスシーリングをやめさせ、国の医療制度改革をとめさせることが肝心なのです。 お尋ねします。 自民党の厚生労働大臣経験者までが行き過ぎだと言いだした医療改革をとめよと国に声を上げることが必要と考えますが、いかがですか。 さて、今回の予算案では、県の改革に合わせる形で福祉医療の所得制限の強化などが盛り込まれ、前期高齢者の医療費負担が大幅に増加されることが予想されています。また、アンケートの調査項目でも、子育て世帯の期待する施策のトップも医療費助成の拡充でした。今でも重い負担と感じている市民に、より一層負担を押しつけることになります。急激な不況の中で重圧感を感じている市民に、より一層の負担を押しつけることは問題があると感じます。 お尋ねします。 市民生活を守る立場で、福祉医療の所得制限などについては現行制度を維持すべきと考えますが、いかがですか。 厳しい市民生活の中でも、少なくなっている賃金収入で子供をはぐくむ世帯は大変な状況です。アンケートの調査項目でも、子育て世帯の期待する施策のトップは医療費助成でしたが、それに続くものとして保育所、幼稚園の保育料の引き下げが挙げられています。働く市民の給与所得が下がり続ける中、少しでも子供たちのためにと仕事に出ている世帯の子供を社会的に支援するのが保育所です。 本予算と同時に、尼崎市保育所保育料体系の評価及び減免制度等の見直しに係る検討会議の提言が議会に報告されました。提言を受けての政策化では、保育料体系はD4階層応益負担から応能負担へと変更し、D1からD4の保育料を引き下げました。一方、持ち家世帯と借家世帯の負担を公平に行うために、算定方式を税額控除前の税額を基本とすることに変更を進めており、来年度予算でもこの基準変更によって約2.1億円の増収を見込んでいます。私は、本来ならこの増額分については保育を受ける世帯に還元すべきであり、保育料の軽減に使うべきであると考えます。 お尋ねします。 今回のプランでは3.6億円の負担増を保育所利用世帯に求めています。うち1億円は階層区分による急激な引き上げに対応するために使われるとしていますが、もともとが高い保育料です。残りも保育料軽減に充てるのが、世界同時不況のもと、苦しい生活を送る子育て世帯を支援するためには必要な施策だったのではないかと考えますが、いかがですか。 次に、アンケートの市民要求で「地域経済振興策として何を望みますか」という設問を設けました。この項目では、「雇用、就職支援」が30%、「市場、商店街への支援」が24%と続きます。市長が緊急経済対策として打ち出した融資も10%とそれに続きます。雇用、就職支援では、国の経済対策を活用して異例の09年度補正予算が09年度予算案と同時に審議されるように提案されていますが、運用で実効性のあるものになることを望みます。 さて、先日、日本共産党の緊急経済提言の懇談会のお誘いに地域の市場、商店街を回らせていただきました。市民の懐ぐあいがもろに響く地元商店街の悲鳴が聞こえました。大型店に客をとられる中でも、地域の高齢者の憩いの場として、そして地域の台所として頑張っておられる市場、商店街店主さんたちの悲鳴です。このままにはしておけません。政府も信用保証の認定制度を拡大することによって融資の拡大を図っているようですが、銀行が貸さない、いわゆる貸し渋りもあるということです。市長や産業担当の局長などが各金融機関を回り、努力されている姿は拝見しています。土地バブルの崩壊後、公的資金を受けて再生した銀行の公的責任意識の希薄さは大問題と言わざるを得ません。 また、どん底に陥っている資金繰りの中では借りるに借りられないという声も聞きました。市は08年度補正で信用保証料の4分の1を助成する制度をスタートさせましたが、これでもまだ負担が重いと感じている事業者が多いのも事実です。 お尋ねします。 今回の市の緊急対策は国の補助を受けて実施されているのですが、さらに進んでこの事業に、市の負担がかかりますが、4分の1上乗せして2分の1助成を考えるべきではないでしょうか、いかがでしょうか。 次に、公契約条例についてお伺いします。 現在、議員提案による公契約条例関連3議案が審議されています。この条例案が全国的にも注目されているのは、競争入札の行き過ぎなどにより各地の自治体で問題が起こっているからです。ごみ収集の委託業者が途中で業務を投げ出した東京都国分寺市では、公共調達に関する指針を策定し条例化を目指しています。また、大阪府豊中市では、総合評価の項目として、新規採用者、障害者の雇用など雇用条件を加味した制度を実施しています。尼崎市においても、人間を入札するなのスローガンが掲げられた住民票入力業務の問題など、契約先の労働者の処遇、賃金のあり方が問われています。 人間らしく働ける賃金をとの一つの解決方法を示したのが議員提案の公契約条例案です。歯どめのかからない競争入札で落札金額が下がれば下がるほど、尼崎市にとっては経費が安く済んでよいかもしれませんが、その結果が労働者にしわ寄せされていいのでしょうか。 市役所がワーキングプアをつくっていいのか。市役所がワーキングプアによって支えられている事態が進んできています。最低賃金712円では、法には触れないけれども生活していけないことは明らかです。総務消防委員会で市当局は、国の施策を待つべきだとの態度です。かつて老人医療無料制度が全国の自治体で広がり、やがて国の制度となるなど、自治体の取り組みが先導的役割を果たした例もあります。最低賃金さえ生活保護基準を参考にしていこうという動きがある今日、尼崎市の勇気ある決断は全国の労働者を励ますことになるでしょう。 そこで、公契約の理念についてお尋ねいたします。 尼崎市が行う契約では、そこで働く労働者の生活、賃金を考慮すべきだと考えますが、市長の御所見をお聞かせください。また、公契約における労働者の生活、賃金について、どのような改善をこれまでしてきたのか、さらに、国の対策を待つまでもなく、どのような改善をしていくおつもりなのか、お答えください。 少ない財源の中で事業を選択しているのに財源保障をどうするのか、そんな声が飛んできそうです。そこで財源確保の提案を行います。国や県に対する財源要求の要請を大きく進めることです。この間、各地の知事などが空港建設や整備新幹線の事業負担金の棚上げなどを要請する行動を続けている報道が伝わってきます。基礎自治体として国の法定受託事務に対する地方交付税などの増額を行うように厳しく求めていくことなども必要なことと考えます。 お尋ねします。 国に対して、三位一体の改革をとめるか税財源の一層の移譲を強く求めることが必要と考えますが、いかがですか。 次に、県に対して見直しを求めるべき問題として、県道園田西武庫線事業について質問していきます。 この事業は、戦後すぐに幅員15mの道路として都市計画決定がされたものの全く手つかずで、51年後の1997年に最大幅員38mの道路に都市計画が変更されました。事業認可時の事業費は92億円です。県と三菱電機との協議が始まり、7年後の2004年に、三菱電機の補償費等が膨らみ、事業費は174億円に変更になりました。たった907m、1km未満の道路整備に巨額の費用がかかることになりました。それに伴い、尼崎市の負担金も44億円と膨れ上がりました。 昨年9月、会派議員が事業の凍結、中止を県に求めよとの質問に対して、市北部の渋滞の解消と通行の円滑化を図るために市として必要な幹線道路という御答弁でした。確かに市の財政にゆとりがあるなら着実な推進も必要でしょう。しかし、この時期に大企業の移転補償に巨額の負担をしてまでこの道路整備をする必要があるのでしょうか。 さらに、昨年改定が発表された道路整備の10年計画には県道園田西武庫線の藻川架橋の計画が含まれています。この架橋の東側地域には、高層マンション建設で陳情を出された地域住民の方がよりよい環境づくりを目指して、計画所管課の協力のもと、地域計画をつくり住環境を守る取り組みを進めた地域です。橋をかけるから御理解をとか、決まったからと計画を押しつけた場合、また住民の反対の声が上がる可能性があります。 そこで、この事業について次のように指摘します。 第1に、渋滞解消と通行の円滑を図るといいますが、最初の道路計画から60年間、計画変更からも11年間、通行車両は周辺道路に分散したり多少の渋滞を辛抱しているのです。今急ぐ必要はありません。 第2に、市の負担額44億円は、全額を市債を充てるとしても将来の子供たちの負担となるので、当局の財政改善の考えとも矛盾します。 第3に、最初の都市計画決定から60年間も手をつけてこなかったのに、市の財政が極めて厳しいこの時期に予算を計上する財政的ゆとりがあるのでしょうか。 そこでお尋ねします。 園田西武庫線整備事業は、市の財政状況から凍結するよう市が判断すべきでありますが、先ほどの指摘を踏まえて改めて御答弁願います。また、事業凍結を県に求め、県が事業推進にこだわるようであれば、事業費全額を県が負担するように申し出てはいかがですか。あわせて御答弁願います。 財源確保の問題では、もう一つ、旧同和施策関連事業の見直しです。総合センターの機能統合により、職員配置を見直せと求めてきました。取り組みのピッチが遅過ぎたと思いますが、新年度には課長級6人を削減していることは、やる気になればできることを示しています。 しかし、まだ問題が残っています。一つには共同浴場跡地の売却問題です。共同浴場跡地6カ所のうち4カ所は、住民との協議がまとまり土地売却の手続をしているとのことです。しかし、南武庫之荘の守の湯跡地、今北のれいめい湯跡地については、まだ地区住民と協議中とのことであります。 お尋ねします。 2カ所については共同浴場として廃止してから何年たつんですか。なぜ地域との協議に時間がかかるんですか。直ちに決着をつけるべきと考えますが、その決意はありますか、明確にお答えください。 次に、南武庫之荘改良住宅の駐車場整備のおくれの問題です。29棟のうち13棟は整備が済みました。または工事中と聞いていますが、未整備の16棟で約300台分については20年度中も進捗せず、整備予算4,200万円を補正減としました。 さて、先行して住宅駐車場整備をしたところは駐車場利用料金を支払っているのに未整備のところは無料のままでは、公平性に欠けるのは確かであります。建設委員会での補正予算審議での答弁で、ここは晩と昼ととまっている車が違うような状況も若干見受けられる。また、利用者の特定を進めていきたいというものでありました。取り組みに苦慮しているということですが、住民の生活状況があったとしても、市の土地を不法に占拠しているような状態をいつまでも置いておくことは市民から見て許せる問題ではありません。駐車場を整備して駐車料金を徴収すれば、3年で整備費用は回収できるということであります。来年度の予算を見ると、今年度の4,200万円の補正減を行った予算を来年度は半分の2,000万円しか計上していません。なぜですか。 お尋ねします。 公正な行政の観点からも市の財政改善のためにも、地区住民の理解を求めて来年度中にすべてを実施すべきです。その決意があるのかどうか、御答弁願います。 もう一つは人権啓発協会への補助金です。2009年度は3,860万円を計上しています。もともとは同和啓発促進協会に出していた補助金ですが、同和対策事業が終息したにもかかわらずゼロベースに戻さず、同和対策事業の延長線上で人権啓発協会に名前を変えて引き続き補助金を支出しているのではないでしょうか。 そこで、お尋ねします。 人権啓発協会には自立を促し、補助金はきっぱり廃止すべきと考えますが、御答弁願います。 県や国に働きかけるには時間がかかりますが、市民生活の防衛は待ったなしです。市にできることから始めることが必要です。まず、推進プランが5年間の目標としている実質的な収支均衡の確保、すなわち歳入に見合った歳出の規模を確保するとした目標設定の凍結です。 推進プランの策定の背景には、20年度策定時に示されているように国・県の動向が挙げられています。三位一体の改革、規制緩和、社会保障の制度改革、そして県行革が挙げられ、これらに対応して、より厳しい局面に対応するために策定されたと述べているように、国の進める構造改革のもとでの分権社会に対応するものとして策定されたものであることは論をまちません。推進プランそのものが、国の構造改革や三位一体の改革にあわせて地方交付税などの減収、税財源の移譲を前提としているということです。この前提条件を満たすために、経営再建プログラムに続く推進プランは財政の健全化を第一の目標に掲げ、地域社会で支える仕組みづくりと行財政経営システムの構築を3つの目標と定めています。そして、当面の目標として財政健全化のレベル3、すなわち実質的な収支の均衡を図れるを目指すとして5年間の推進プランを行うと決めました。 しかし、100年に一度の景気の減速はその後に襲ってきています。プランの大幅な見直しが必要です。現在の自民・公明の連立内閣の閣僚でさえ、構造改革推進と三位一体の改革路線の行き過ぎを指摘し、変更を示唆する発言が続いている現状です。しかも、未曾有の大不況が市民を襲っているという認識を持ち、非常時という認識をしっかり持った対応が必要と考えます。その上に立ち、市民サービスの切り下げを前提とした推進プランを一たん棚上げにして、市民生活を守ることが必要と考えます。 現在の推進プランの目標設定のまま進めれば、現下の不況の進行とともに自主財源の減少がさらなる負担を市民に負わせることになり、地方自治体が住民を守る役割を放棄し、悪魔のスパイラルと言われる市民生活を犠牲にしたものにならざるを得ません。これでは安全・安心の市民生活が成り立ちません。 お尋ねします。 推進プランの目標である収支均衡をとるとした考え方を一たん凍結すべきと考えますが、お答えください。 さらに、プランでは、財政比率の確保として収益事業収入及び土地売却収入を基金に取り込む、負債の抑制を行い、市債の活用や外郭団体の建設償還の繰り延べは将来への負担の先送りとして、通常債の発行は元金償還以内、繰り延べしている負債は圧縮に努めるとしています。このような形で起債の制限を厳しくされていますが、市民生活を守り地域経済を活性化するために、市民生活を守る上で必要な財源を捻出するために、年次を区切ってでもこの制限を緩和することを提案します。 確かに起債は、後年度の負担をふやし、財政の硬直化を招く可能性があります。しかし、今市民生活を守らなければ、逆に扶助費の増加などを生み、より硬直化が進むことが懸念されます。 今年度、貴重な基金を使って総合文化センターに5億9,000万円、健康医療財団には7億5,000万円の建設償還を行うとしています。この財源を、市民生活を守ることへ回すことが必要と考えます。 お尋ねします。 本年度繰り延べ償還を行っていた事業については、貴重な一般財源を用いて償還を行おうとしていますが、これを再び繰り延べして市民生活を守る事業に使うことが必要と考えます。いかがですか。 あわせて、未来の子供たちに負担をさせないとして行っている起債の抑制策を緩和し、市民を守る事業に活用すべきと考えます。御答弁願います。 次に、景気の先行きも国政の方向も定かでない状況のもと、新規施策の中に示された事業についてお尋ねいたします。 まず、市の計画行政の土台である基本計画についてお尋ねします。 新規施策の中では次期基本計画策定等事業として885万3,000円の予算計上が行われています。その事業内容は、次期基本計画の策定等に向け、総合計画審議会において審議を行うなど、取り組みを進めるとなっています。計画行政を否定するものではありませんが、現下の目まぐるしい経済変動や政局変動の中で今後10年間の計画づくりが可能なものなのでしょうか。改革プランの総括でも、来年度以降の経済変動が予測がつかないと、4月以降の見直しが予定されているように、半年先の尼崎市民を取り巻く状況が不明確であり、また、市民生活を守るために緊急に行わなければならない財政出動も予想されます。急いで次期計画をつくるよりも、まず市民生活の安定を図る行政運営を優先すべきなのではないかと考えます。 お尋ねします。 市民生活の安定を図り、経済状況の安定を待って次期計画づくりを進めるのが、市民を守る立場の市役所のあり方と考えますが、いかがですか。 さて、今年度市民委員会を開き、その庁内検討を行った結果として、基本構想、基本計画についてはおおむね妥当という結論を出されています。総合基本構想は、1992年に土地バブル絶頂の時代に、まちの魅力を高め、都市間競争に打ち勝つ計画づくりとして、駅前の再開発、南部臨海部の開発計画を実施し、行ってみたいまち、住んでみたいまち、住み続けたいまちを標榜しています。当時の状況は、土地の値段は限りなく上昇することを前提に、国土計画である5全総を受ける形でつくられました。 しかし、構想を議決した直後からバブルの崩壊が始まり、土地の価格は急激に下落し、前提条件が崩れました。しかし尼崎市は、国が示した公共事業を行えば景気回復の端緒をつかむことができるという方針に従い、従来の建設事業の通常債に加え、将来のリストラを担保にした行革債まで発行し、阪神尼崎駅の空中回廊計画などを推進しました。結果としては、景気の持ち直しはなく、阪神尼崎駅周辺の空中回廊は総合文化センターの横までで中断。無謀な開発事業の墓標のような形をとどめています。 今回の見直しは、この構想の基本的な理念やバックボーンである国の国土計画についてはほとんど触れられず、一つ一つの項目がおおむね妥当という結論を出しています。これでいいんでしょうか。 私たち日本共産党市会議員団は、基本構想に基づく第2次基本計画づくりの中でも、構想に基づく開発計画を前面に立てた基本計画づくりに対して、震災復興もあり、経済情勢が大きく変わっている。大型の開発の推進ではなく市民生活を守る計画に変更をと求め、総計審の中で総合基本構想第1次基本計画について厳しく批判し、転換を求める立場をとりました。結果はどうでしたか。阪神尼崎駅川東、立花、JR尼崎駅北側と、大規模な再開発を都市間競争に打ち勝つとして、また震災復興事業という冠をつけて進めてきた事業が市の負債を膨らませ、財政調整基金をしぼませ、市財政を圧迫し、市民に我慢を押しつける財政危機を呼び込んだと言わざるを得ません。 お尋ねします。 施策の方向性はおおむね妥当という評価が議会に報告されていますが、市長は、行財政運営の基本となる総合基本構想、基本計画のバックボーンにあった大型公共事業推進の市政運営が市財政に大きな影響を与えているとは考えていませんか。あわせて、住み続ける市民の生活を守る計画に見直すことが必要と考えますが、いかがですか。 これで第2問を終わります。(拍手) ○議長(塚田晃君) 答弁を求めます。 白井市長。   (白井 文さん 登壇) ◎市長(白井文さん) それでは、順次お答え申し上げます。 まず、医療制度改革についてのお尋ねでございます。 医療・介護制度を含めた社会保障制度改革につきましては、少子・高齢化が急速に進展する中で将来にわたり持続可能な制度を構築するためには必要であると考えております。そうした中、市民にもっとも身近な基礎的自治体としては、これらの見直しの動向を注視する中、必要な場合は問題提起するなど、市民の実態をとらえ、国に働きかけていく必要があると考えております。 次に、福祉医療制度についてのお尋ねでございます。 福祉医療制度は県と市の共同事業であり、今回の見直しは、県の新行財政構造改革推進方策にあわせ、市の厳しい財政状況も十分に考慮して、将来に向けて持続可能な福祉医療制度とすることを基本方針としつつも、市独自施策といたしまして、老人医療における市の一般財源の上積みによる低所得2の維持、障害者医療における精神障害保健福祉手帳2級所持者への対象の拡大及び配偶者、扶養義務者の所得制限なしの維持、小学3年生までの乳幼児と18歳未満の障害児、母子家庭等の児童の入院無料化などを実施することにより、福祉医療制度の本来の趣旨に従い、低所得者や障害者あるいは子育て支援の観点から、より支援を要する人に対して財源を集中し重点化するという考え方で再構築したものでございます。 御質問のように所得制限基準など現行制度を維持しようといたしますと、県補助金の肩がわりも含め約7億5,000万円多く負担しなければならず、本市の厳しい財政状況から不可能であると考えております。 次に、保育料の算定方式の見直しによって生まれた効果はすべて保育料の軽減に充てるべきではないかといったお尋ねでございます。 このたびの保育料に係る見直しにつきましては、公募市民も参画いただいた尼崎市保育所保育料体系の評価及び減免制度等の見直しに係る検討会議におきまして、保育料体系については保育を取り巻く環境の変化等を踏まえた視点、一方、保育料算定方式については今日的な必要性の視点という、それぞれ別の視点で評価や検討を重ねていただき、同会議からの提言を受け市として見直しを行い、結果として構造改善効果額を計上することとなったものでございます。この効果額につきましては、検討会議から、今後新たに策定される次世代育成支援対策推進行動計画に基づく子育て支援施策にこの財源を活用できるよう強く望むとの提言もいただいております。 本市といたしましては、保育所を利用する家庭のみならず、在宅子育て家庭も含めた子育て支援充実の必要性については十分認識しており、厳しい財政状況のもとではございますが、子育て支援のための施策に重点的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、信用保証料の助成率についてのお尋ねでございます。 信用保証料の助成につきましては、昨今の世界的な金融危機のもと、中小企業の資金繰り対策の一つとして、2月1日より経済変動対策特別融資と小規模特別融資の信用保証料について、他都市の状況等も踏まえ、新たに4分の1の負担を制度化したものでございます。制度開始以降わずか1カ月で13件もの助成金の申し込みを受け付けるなど実績を上げており、改めて信用保証料の助成率を引き上げる考えはございません。 次に、公契約における労働者の生活、賃金についてのお尋ねでございます。 市の契約にあっても、労働者の賃金は雇用主との間において法令に適合した内容で取り決められるものであると考えております。また、公契約における賃金等の改善については、市が直接実施することは困難でありますが、人的警備やじんかい収集業務などの一部の業務委託については、最低制限価格を設けダンピング防止に努めているところでございます。なお、生活、賃金等の基準について一自治体として取り組むことは非常に困難であることから、国の制度として適切な対応が行われるべきものと考えております。 次に、国の三位一体の改革や税源移譲についてのお尋ねでございます。 三位一体の改革につきましては、本来の趣旨から申し上げますと、地方の裁量権を拡大し、財政的な自立を促すことにより、地方分権を進めていこうとするものであり、真の地方自治確立に向けた取り組みの骨格をなすものであると認識いたしております。 しかしながら、これまで実施されてきた改革では、国庫補助負担改革は補助負担率が引き下げられましたが、国の権限が残されたままで、地方としての裁量が制約された状況のものもあります。また地方交付税改革では、地方負担の所要額が措置されず、地方交付税が有する財源保障機能が十分に働いていないといった課題も残されており、本来の三位一体改革の趣旨からいたしますと不十分なものであると言わざるを得ないと考えております。これまでも三位一体改革に対する課題については地方6団体等を通じ意見を述べてまいりましたが、今後とも、あらゆる機会をとらえまして国や県に対し働きかけてまいりたいと考えております。 次に、園田西武庫線整備事業についてのお尋ねでございます。 園田西武庫線は本市と大阪府を接続する重要な幹線道路であり、本市北部における交通渋滞の解消と通行の円滑化を図るため、本市として必要な道路整備であると考えております。また、園田、塚口地区の社会福祉連絡協議会や園田会からも早期完成の要望を受けている路線でございます。 園田西武庫線の整備事業は、兵庫県の社会基盤整備プログラムの中で継続中の事業と位置づけられており、事業凍結については事業主体である兵庫県の判断によるものと認識しております。本市といたしましても、道路整備プログラムで同様に位置づけをしており、現時点で事業凍結や事業費の全額負担を申し入れる考えはございません。 しかしながら、本市の財政状況は厳しい状況にありますことから、現在、市内で施行されている園田西武庫線を含む県施行街路事業3路線に係る経費につきましては、毎年度、将来の負担も考慮して、一定の予算枠で事業量調整を図りながら進めていくこととしております。 次に、共同浴場に関するお尋ねでございます。 共同浴場を廃止してから、南武庫之荘共同浴場については14年、今北共同浴場については17年が経過しております。同和対策審議会答申の趣旨を踏まえ、地域住民の意向を勘案するため、平成17年度から本格的に地域との協議を行っているところでございます。 市といたしまして、市有財産の有効活用を図るという観点から、基本的には施設を撤去し売却するという方針を伝えておりますが、地域では跡地の有効活用策についての検討をされており、現時点では合意に至っておりません。今後とも、引き続き市の方針での合意が得られるよう鋭意協議を進めてまいる考えでございます。 次に、南武庫之荘改良住宅の駐車場整備についてのお尋ねでございます。 現在南武庫之荘地区で進めております駐車場整備は、平成15年度から全市的に取り組んでいる既存市営住宅23住宅を対象とした事業で、順次住宅の住民に理解を得ながら駐車場整備を行い、使用料を徴収するものでございます。 御質問の南武庫之荘地区につきましては、平成19年度、20年度の2カ年での完了を目標に取り組んでまいりました。しかしながら、これまで整備した住宅におきましては協議窓口となる自治会がありましたが、当地区におきましては駐車場整備の協議において重要な役割を果たす自治会そのものが設立されていない棟が多く、駐車場利用者と個別に協議を行い、理解を得るのに時間を要する状況にございます。 このような中、南武庫之荘地区29棟のうち平成19年度には7棟を、平成20年度には6棟の駐車場整備を実施してきたところでございますが、自治会という協議窓口がない中で住民の理解を得ながら進めるためにはなお時間を要すると判断して、事業期間を2カ年延伸したところでございます。 当該事業の執行に当たりましては、公平性の観点からも駐車場整備の早期完了は重要と認識いたしておりますことから、今後とも住民の方々に十分な説明を行い、理解を得るよう精力的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、人権啓発協会に対する補助金についてのお尋ねでございます。 人権啓発協会は、同和問題を初めとする人権問題に対する正しい認識と深い理解を広げることを目的に活動してまいりました。しかしながら近年、より多様な人権問題への取り組みが求められており、本市といたしましては、協会がこうした機能をより一層発揮できるよう支援していくことが必要であると考えております。また元来、人権啓発事業は自主財源を生み出す性格のものでないことから、啓発活動をサポートするため補助金を支出しているものでございます。 今後もこうした支援は必要と考えておりますが、同協会に対しまして、外郭団体等に関する市の取り組み方針に基づき補助金の見直しを行っており、加えて新たな会員の獲得や経費の節減、啓発活動の創意工夫など、効率的、効果的な事業運営に努めるよう要請しているところでございます。 次に、プランの目標である収支均衡を確保するといった考え方を凍結すべきではないかといったお尋ねでございます。 現在、本市では“あまがさき”行財政構造改革推進プランを策定し、財政健全化のレベル3に位置づけた実質的な収支均衡を目指して取り組んでおりますが、策定時において想定し得なかった急激な景気の後退が本市の財政に大きな影響を及ぼしており、そのため収支が大きく乖離している状況でございます。このような状況の中で、将来世代に過度の負担を強いることのないよう、改革改善に向けた絶え間のない取り組みを進めていく必要があり、収支均衡を確保するという考え方を凍結することなく、早期に安定した財政基盤を確立することが何よりも大切であると考えております。 なお、今般の経済不況が及ぼす影響が不透明なこともあり、景気動向には十分注視しながら、構造改善目標等について平成21年度中に再考してまいります。 次に、建設償還金の繰り延べを行い市債を発行してでも市民生活を守る事業に活用すべきとのお尋ねでございます。 市民の福祉を守り安心して暮らせるまちづくりを実現するためには、安定的に支える財政基盤の確立が不可欠であります。そのためには、平成20年度から取り組んでおります“あまがさき”行財政構造改革推進プランに基づきまして実質的な収支の均衡を図り、また、過去の負担を未来の子供たちに押しつけるのではなく、私たちの世代できちんと清算するという観点から、負債の抑制など財政規律の確保を基本として財政健全化に向けた取り組みを推進していくことが必要であると考えております。 次に、次期基本計画づくりについてのお尋ねでございます。 今日のように社会経済情勢が短期間で大きく変動し、予断を許さない状況におきましては、まずは市民生活の安定を図る行政運営を心がけていくことは申し上げるまでもございませんが、こうした状況下だからこそ、次の時代の行政運営の基本となる総合計画につきましては、時期を逸することなく検討を進めていかなければなりません。 しかしながら、現在は中長期的に財政収支を見通すことは非常に困難であること、また一方では地方分権の一層の進展が見込まれることなどから、中長期の総合計画を考えていくに当たりましては慎重な検討が必要であると認識いたしております。 したがいまして、今後のプランの進捗状況や社会経済情勢を見定める必要はありますが、こうしたことも踏まえて総合計画審議会において計画のあり方から御審議いただきたいと考えております。 次に、大型公共事業の推進が市財政に大きな影響を与えているのではないかといったお尋ねでございます。 まず、現行の基本構想及び第2次基本計画の点検結果でございますが、昨年9月に議会にも御報告いたしました庁内の点検結果については、現在、総合計画等市民懇話会において市民の皆様の目線で点検いただいているところであり、御意見をとりまとめた上で4月以降議会にも御報告させていただきます。 多額の費用を要する公共事業につきましては、防災機能の向上や市民の安全・安心の確保、都市環境の向上やまちの魅力づくりなど、将来のまちづくりを展望する中で基盤づくりに取り組んできたところでございますが、結果として財政構造上の課題を残していることも事実でございます。 また、計画の見直しに関しましては、第2次基本計画におきましても市民生活や市民活動、事業活動など人々の生活と交流等に重点を置いているところでございますが、次期基本計画等の策定に当たりましては、地方分権の流れや一層の少子・高齢化の進展など時代の変遷も十分踏まえた上で、安心、満足して暮らせるまちづくりに向けて検討を進めていく必要があると考えております。 以上でございます。 ○議長(塚田晃君) 早川進君。   (早川 進君 登壇) ◆31番(早川進君) 種々のお答えをいただきましたが、国の制度の問題について、6団体を通じての要望をされているようですけども、本当にそれだけでいいのかどうか。尼崎市民の代表としての市長としてのお顔が見える形での提言を行っていただきたいと要望しておきます。 それから、医療改革についてですが、国そのものが失敗した、大臣経験者がそのものが失敗したと言われる改革です。時期を見て要望するということですが、今追い込まれているお年寄りをしっかりと守っていくためには、医療改革の提言、今すぐ必要だと思いますので、急いでしていただくように要望します。 それと、保育料の問題ですが、市民委員会からの提言があったので子育て支援に使っていくというんですが、来年度出る1億数千万円のお金はどこへ保管をされるんですか。それとも、来年度の予算の中で1億数千万円を子育て支援に使った項目があるなら、再度の質問とさせていただきます。お答えください。単に財源対策に消えたのではないかというのが私たちの考え方です。 園田西武庫線の問題ですが、調整を行っているということですが、私はもっと調整を強めればいいと思います、それなら。先ほど質問の中でもお話をさせていただきましたが、今本当に44億円の負債を抱えなければならない事業を行わなければならないのか。厳しい財政であることを園田会などにしっかりと御説明して、もっと事業進捗を延ばしていく。そのことが必要だと考えます。 公契約条例についてですが、公契約条例を提案されている議員の方々、私たち会派からも出していますが、市役所、市全体を縛れと言っているわけではありません。市民の皆さん、特に市役所で働く人たちの賃金の保障をやろうという、一事業者としての役割を果たしていこうということですので、無理と言わずにぜひ御検討いただきたいと思います。 同和ぶろの問題ですが、時間がかかり過ぎるんじゃないですか。常光寺小学校跡地活用を企画財政局が取り組んだ問題は、わずか2年で売却を決めました。大きな反対の声が上がっても売却の方針は変えないということなんです。なぜ同和ぶろはこんなにかかるんですか。私たちが指摘をし始めてからもう10年近くたちます。この部分のところを全く考慮されていない。しっかりと本当に話し合いがされているのかどうかが不明確です。共同浴場についての売却問題はもっとしっかりと行っていただきたいと考えます。 人権啓発促進協会の問題ですが、県下でこの協会に頼って人権問題を推進しているのは尼崎市だけです。なぜ尼崎市だけが協会を育成しなければいけないのですか。3千数百万円のお金が無駄になっているのではないでしょうか。私たち会派は昨年来、教育委員会がしっかりと人権問題を取り組めばいいのではないかと指摘をさせていただいています。この協会の自助、自立を求める運動を強めていただきたいと思います。 あと、財政運営の問題で安定的な基盤が不可欠だと言われますが、市長もみずからおっしゃっておられるように、国からの財源移譲がしっかりとされていない問題が大きいのであれば国に求めるべきであって、市民生活を犠牲にすべきではないと考えます。このことは指摘をしておきます。 3回目は要望にとどめます。 プランや見直しについて、景気対策についてですが、一貫して構造改善の推進をする姿勢を述べておられます。2月28日の神戸新聞社説ですが、「3月危機への対応を急げ」と大見出しを打ち、失業者急増という社説を出しています。雇用悪化の底が見えないとした上で、厚生労働省のデータを用いて、3月末までに職を失う非正規労働者の数が全国で先月の調査を3万3,000人上回る15万7,000人を超えたこと、また人員削減の波は正職員にまで及び、採用内定を取り消された高校生、大学生が1,500人を超えたと指摘し、さらに、年度末である3月にはさらに悪化する懸念があるとしています。この危機が景気循環によるものであるととらえてはいけないと警鐘を鳴らしています。 先日、追加補正の議案提案を行った議会運営委員会でも、委員から国の対策以上の雇用及び景気対策を行わないのかの問いに対して、企業城下町の自治体と違い、有効求人倍率は急激な落ち込みを示していないとして推移を見守ると企画財政局長がお答えになったと同じように、市民の実情が見えていないのではないですか。私たちは、アンケート調査を行う業者団体への聞き取り、市場・商店街への聞き取り、緊急の街頭相談会を行うなど、市民の実態を見ています。市長のおっしゃるような状態ではありません。市長の市民の生活の状態認識は少し実態と合っていない、甘いと考えます。 金計算をする職員の声ではなく、市民と直接話をする職員、福祉事務所の相談員、保育所の保育士の声は聞かれていますか。税や保険の窓口担当、こども課の窓口担当は再任用職員を置かれて、事態がストレートに職員の耳に入っていないのではないですか。年末で雇いどめになった労働者の中には、家族の生活を支える方もおられました。会派に御相談に来られた方です。中学生の子供がインフルエンザになっても注射を打つことができない、そんな状態で会派の部屋に相談に来られた市民がいます。伊丹市とも市境にある三菱電機グループでも派遣の雇いどめが起こっています。売り上げが伸びず廃業する小売商店や飲食店がふえてきています。緊急融資相談の窓口は当面閉められないということですが、ぜひ市民の生活相談の窓口を広げてください。そして、財政危機という色眼鏡で市民のお話を聞かず、福祉の向上という地方自治の本旨で市民生活を見詰めれば、今の状況は大変な状況であることが明らかになると思います。これまでも決してよくなかった雇用の状況は、さらに悪化することは明らかです。市民生活を守る立場に立った行財政運営を強く望みます。 さて、毒まんじゅうとまで国会で言われている定額給付金ですが、国会では支給が決まるようです。マスコミ各紙の世論調査でも、また読者の声の欄でも、もっと地域経済に資する使い方を、真に必要とする人への支援に使うべきという声が上げられています。 なぜ毒まんじゅうなのでしょうか。その背景には、自民・公明の政府与党がこの給付金の決定と同時に3年先の消費税増税を決定したことにあるといいます。本来、景気の刺激策としての役割があるのならば、3年前に与党が廃止した定率減税を復活させる、さきに述べた社会保障の連続改悪をやめ拡充させることが安全・安心の実現なのですが、この間の13億円の負担増がある中での1回ぽっきりの給付金に単純に喜べない。必要とする人に使ってほしいと考えるのは当たり前のことと思います。ましてや1回ぽっきりの給付金を受け取れば、後で消費税でがっぽりと負担がふえることがわかっているからでしょう。 さて、実施されるのであれば、市民の声に合わせて地域経済の活性化、地元事業者の支援に充てるべきでしょう。尼崎市と同じように中小零細企業の多い東大阪市では地域限定のプレミアムつき給付を行う。神戸市では事業にあわせてクーポン券の発行を行い、市外の方にも購買してもらうことを計画しているということです。神戸市のような他市の分までとは言いませんが、市民が受け取った給付金が地域経済の足しになるような施策が必要ではないでしょうか。70億円を超える金額をみすみす神戸、大阪で消費させることはないと考えます。4億円程度の上乗せを行い、プレミアム事業を商店連盟などに呼びかけ、地域の商店街の活性化に資すべき事業にすべきです。まだ時間があります。再検討を要望いたします。 今回時間の関係で取り上げなかった問題については、予算特別委員会で会派議員が質疑をさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(塚田晃君) 答弁を求めます。 白井市長。   (白井 文さん 登壇) ◎市長(白井文さん) 保育料についての再度のお尋ねでございます。 保育料の算定方式の見直しによって生まれた効果をどのように平成21年度予算で生かしたのかというお尋ねでございます。 例でございますけれども、経験ある保育士配置促進事業ですとか、子育て支援の一環として、生後おおむね2カ月以内の乳児のいるすべての家庭を訪問し、子育て情報を提供するこんにちは赤ちゃん事業ですとか、母子家庭の母等を支援するため弁護士相談を行う特別相談事業を実施する母子家庭等地域生活支援事業、また先ほども御報告いたしましたけれども、18歳未満の障害児、母子家庭の児童の入院の無料化という福祉医療等に充当しているところでございます。 厳しい財政状況でございますが、子育て支援のための施策には今後とも取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(塚田晃君) 早川進君の質疑は終わりました。 この際、休憩いたします。                    (午前11時35分 休憩) ---------------------------------                    (午後0時46分 再開) ○議長(塚田晃君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 代表質疑を続行いたします。 発言を許します。 酒井一君。   (酒井 一君 登壇) ◆10番(酒井一君) こんにちは。虹と緑の酒井です。会派を代表して、2009年度当初予算案、市長の施政方針ほか関連議案について代表質疑をさせていただきます。 小さな会派の悲哀で、最後に回ります。どうしても前の質問と重複をしがちです。それを避けるために、今回は1点集中で、テーマを絞って質問していきたいと思います。よって、やや深入りをし過ぎる面もありませんが、先輩、同僚議員の皆さんには御容赦の上、しばらく御協力をお願いします。 そして、市長におかれましても、深入りし過ぎて言葉足らずの質問になっているかもしれませんが、ここ数年、私が議会で提起をし続けてきた問題ですので、意図を御理解いただき、率直な御答弁をいただきますようお願いします。 まず最初に、仕事の仕方を変えるということからです。 市長は施政方針演説で、契約業務などの不祥事があり、仕事の仕方を変えなくてはならないと決意をしたというふうにおっしゃいました。そのとおりだと思います。しかし、より一層の責任と自覚の確立のために政治のリーダーが戦い、変えなければならない事柄は、職員の意識や自覚などにとどまってはならないと思います。事に当たって、よしあし、正邪の問題だけではなくて、その解決のために合理的な仕組みを考えること、それがリーダーの仕事でなければなりません。この仕組みをつくり変えるということが今回の私の質問のサブテーマとなります。そしてメーンテーマは労働力の使い方であります。 さて、市長が施政方針にいう契約事務の不祥事などには何が含まれているのでしょうか。市民課入力業務の偽装請負問題、そしてその従事労働者のストライキ、弥生ケ丘斎場における直営、そして委託、そして直営、また指定管理へのダッチロールぶり、卸売市場の廃棄物搬送業務の委託をめぐる偽計競争入札妨害の疑いでの職員の逮捕・起訴、市バスの民間委託での労使紛争、それによる委託中止の失態、保育所民間移管における保護者の裁判提訴等々、単なる不祥事としては説明し切れない政策的な失態、紛糾が連続しています。私は、今見詰め考えるべきはこれらの事どもだと思っています。 それぞれに個別の原因が挙げられ、対処方針を説明されています。しかし私は、これらを貫いて共通の考えなければならない問題があると思います。その問題とは何か。実は、これも施政方針のお話の中に問題を見出すキーワードがあると思います。我がまちの一番の魅力は人だと市長はおっしゃった。そう、人こそ魅力の源であると同時に、今回の問題の解決のキーでもあるのだと思います。 言うまでもなく、自治体の仕事、住民サービス、ともに究極的には人の働きによって構成をされます。したがって、そのサービスの質の良否は人の労働の質の良否によって決定されることになります。その労働は対価を得て提供されるものですから、それを買う、つまり調達をする仕組み、原理がしっかりしていないと、よい買い物はできません。 ここで、メーンテーマとサブテーマが合流しましたので、質問に入ります。 1つ目、今尼崎市は、その労働力の調達のあり方において根本的な矛盾に直面をしているというのが私の意見です。以下、順に具体的な事件に即して私の考え方を示しながら、市長の考えをただしていきたいと思います。この二、三年提起してきた問題ですので、重複は御容赦を願います。 自治体の仕事における労働力の調達は、大きく分けて2つの形で行われます。一つは直接に雇用するということ、もう一つは民間委託や指定管理者制度などを通しての民間の労働力の調達であります。まず、その1つ目、直接労働力の使い方について触れていきます。この問題については、幾度かの一般質問でただし、指摘しました。 まず、給料についてです。人件費についてです。 指摘したい問題は、市役所の正規職員の人件費は、職種によっては民間の同種の職の人件費との乖離が不合理なまでに大きくなったままであり、しかもその乖離を是正できなくなっているということです。ごみ収集において、路線バスの運行において、給食調理において、ほかの市役所の事務部門においても多くの部門で民間同種の職に比べて2倍から3倍の人件費の乖離が存在するというということです。市役所の労使は長くそれを是正できずにきました。しかし、そのままの状態では財政的にもたないので、非正規雇用と民間労働力の導入で総体としての人件費を縮減する、これがこれまで市役所がやってきたことです。 私はこのやり方を、人件費抑制の圧力を労使の交渉で解決するのではなく、外部、つまり非正規職員や民間の労働者の低賃金に押しつけるという意味で人件費矛盾の外部への転嫁と呼んでいます。しかし、このやり方はいかなる言いわけをしようが同一労働同一賃金の原則に抵触をしており、地方公共団体ともあろうものが制度として定着させていることは好ましくありません。 私は、直接雇用の職員の人件費の問題は、以下2つの考え方を導入しない限り根本的には解決しないと考えています。 1つ、職務給への転換であります。 地方公務員法は、公務員の給料はその職務と責任に応じた給与でなければならないと定めています。職種にかかわらず、平等な賃金体系や年功序列の賃金を要求しているわけではないのです。私は、生活給を基礎に置いて、技能給と役職給を加えていく給与体系にすべきだと考えています。これは、労働組合などがお嫌いになる成績給ではありません。成績給にはどうしても評価の恣意性の弊害が危惧されるのに比べると、技能ということもポストということも客観的に明らかな事柄です。余り主観が入る余地はありません。成績給を加味したければ、その上に重ねていけばよいと思います。 このような形で公務員の給与体系を地方公務員法が本来求めている姿に改革するに当たって、何か法制的障害でもあったのでしょうか。法制的障害以外にも障害があるとすればどのようなものがあったのでしょうか、お答えを願います。 給与体系は、一朝一夕に切りかえるわけにはいかないことは承知しているつもりです。採用段階から人事制度の構造的つくりかえが必要です。長い取り組みになります。すぐに成果は出ません。職員団体とも厳しい議論をしなくてはいけないでしょう。しかし、だからこそ、こういうことはしがらみのないリーダーにしかできません。検討し、着手ぐらいには持ち込んでおくべきだと思います。市長のお考えを伺いたいと思います。 2つ目にはワークシェアリングということです。 市バスの武庫営業所の路線運行民間委託問題の経緯を見てみますと、結局落ちついた先は、交通局の人件費が高い、だから人件費の低い民間に委託をして総費用を落とす、余った人員についてはやめてもらうという労使協調しての賃金矛盾の回避、私が申し上げた外部化というこれまでの手法の延長にすぎません。市バス事業全体の中での労働者の格差、二重構造、交通局職員と振興株式会社の職員の給与差等は解消されず、他方で多数の同僚が退職を迫られていくということです。 国交省への届け出に関して労働組合が不同意としたことは、労使双方にとって実はワークシェアへの道へのチャンスであったと考えています。賃金で考えれば、民間のバス事業者の正規労働者の賃金水準をやや上回るくらいのラインで働いてもらえれば、今回の民間委託、希望退職と同様の効果が出せるということです。現に、賃金カットや労働時間の見直しなどは、たとえ民間委託をしてもそれに重ねて進めなければならないとのことでしたから、要はカットの大きさなど程度の問題であったと思います。そうすれば、路線委託、仲間の退職ということではなく、全員で今の尼崎市交通のバス事業を続けることも可能だったと思います。労使双方のために大変残念に思っているところです。 特に交通局側には、安易な委託の道ではなく、痛みを分かち合ってでも従業員の首を切らずに生き残る道を探って提案するべき責務があったと私は考えます。見解を求めます。 ちなみに、交通局に限らず、ワークシェアの考え方を検討するべき分野は他の市の仕事の分野にもありますから、交通局でこのようなワークシェアができれば、いい宣伝になったと思うわけです。 さて、問題は人件費だけではありません。雇用の安定ということに関しても、賃金同様の矛盾の外部化、外への転嫁が平然と行われてきました。正規職員は、任用という名のもとで身分の安定が保障されています。その正規職員の身分の安定を支えるものとして、その外部に非正規職員の不安定な雇用があります。そのさらに外側に民間労働者、ここには雇用関係は直接ありませんから、単年度の契約のもとで就業の保障は原理的には1年単位ということになっています。確かにそのような公務員の身分の安定神話というものがあります。公務員に首切りはないというのです。しかし本当でしょうか。公務員に身分の安定が図られている理由は、時の政権、つまり雇用者たる市長その他政治家に右顧左眄せず、公正公平、遵法を貫いた仕事ができるようにするためであります。その証拠に、地方公務員法上、職務の廃止に伴う免職、解雇の規定は存在するわけです。 にもかかわらず、市役所においては、これまで保育所や学校給食のように業務がなくなった部門の職員を免職にするということはありませんでした。このような身分保障は、実は公務員法が求めているものではないということは先ほど申し上げたとおりです。一般に、雇用者の義務、道義としてやっているものだということになります。結構なことです。 ならば、非正規職員や民間労働者にも、関係は違うので濃淡はあるでしょうけれども、同様の義務、同義を守っていかなくてはならないのではないでしょうか。少なくとも、これまでのように正規職員の雇用の安全弁として非正規職員や民間労働者を制度に組み込んでいくなどということは、同義にもとることで、許されないことだと思います。 直接労働者の問題の次に、民間労働者の正しい活用について質問を続けてまいります。 構造改革、規制緩和の大号令のもと、財政危機とも相まって地方自治体には民間委託、競争入札の嵐が吹き荒れました。指定管理者制度もその一環です。民間活力に期待するものとしては、経費節減、そして民間の技術や能力の活用、そして新陳代謝、新しい風を入れていくなどということが挙げられてきました。しかし、その民間委託が経済効率第一主義、競争入札至上主義に走ったことによる弊害をめぐっては、市民課入力業務における座り込みまで伴ったストライキが展開される、また他方では入札をめぐって職員が逮捕、起訴されるという事態まで惹起しています。民間委託における業務の質の担保の問題もさまざまに提起をされているところです。 私は、民間委託については、それが経済効率第一主義、競争入札至上主義の自縛を克服したとき、初めて仕事の性質と目的、もちろん適正な経済合理性にも従って、公営がいいのか、民間がいいのかを判断する適正な基準ができるというふうに考えています。 私たちは、民間委託がぶつかっているこれらの問題と弊害に対する一つの解決策として、先般、公契約条例を提案いたしました。この条例は、私の考えでは実は民間委託適正化条例の性格をも持っていると思うのですが、そのことにきょうは詳しくは触れません。ここでは、公契約条例の議論を通して浮かび上がってきた議会と市長の関係について少し尋ねておきたいと思います。 公契約条例は、行政条例というか実務条例としては尼崎市初の議員提案条例だと思います。もちろん素人の議員がつくるものですから、法制的に、行政的に欠点、改善点がないなどとはもとより考えておりません。しかし政策論として、民間委託などにおいて市が直面している問題に対する解決策の一つとして、決して荒唐無稽なものではなかったと考えています。もちろん、財政面への配慮も不要だとは考えていません。だからこそ我々は、市長部局との間のこのような法制度的、政策論的、建設的なキャッチボールを期待していたのです。 当初、条例案に対して市当局の見解を求めたところ、違法の指摘を含めて意見が返ってきました。我々は市当局の意見を受けて条例案に変更を加えました。このキャッチボールは始まったかに見えました。しかし、その期待に反して、市当局の反論は後になるほど的外れで、こじつけがましいものになってきました。 一つの例を挙げます。憲法27条を持ち出しての議論です。 憲法27条には、賃金その他の労働条件に関する基準は、法律でこれを定めるとあります。だから法律で定めるのであって、条例で定めてはいけないというふうに当局は言いました。どうでしょうか。なるほど条文の字面はそのとおりです。しかし、憲法27条をくってみますと、どう読んでも憲法27条は、この国は自由経済、自由主義を原則としている。だから契約自由の原則はあるが、しかし--ここまでが私の説明ですけれども、勤労条件に関する基準に関しては別だ、きちんと法制的強制力を持って決めますよと言っているのであって、どこをどういうふうに読んでも条例は法律ではないから勤労条件に口を出すななどと言っているとは読めません。そもそも憲法のこの条文の前後、21条、集会・言論・結社の自由、22条、居住・移転・職業選択の自由、23条、学問の自由、24条、婚姻の成立、25条、国民の生存権、26条、義務教育、そして27条、労働者の権利です。28条には労働者の団結権がうたってあります。29条には私有財産権、そして30条に納税の義務。前後を読むだけで、まさにここは国民の権利、義務をうたいあげて、この憲法の核心となっているところです。この条文の存在する位置から考えても、ここで条例と法律の役割分担などという内容に言及するはずがないことぐらいは常識ある人ならばわかるはずです。 もう一つ例を挙げます。 当局は、議会の権限問題をも条例が違法である論拠として出してきました。当局の意見では、地方自治法222条1項が、必要な予算上の措置が講ぜられる見込みが得られるまでの間、予算を伴う条例等の提案を禁止しているというふうに言って、公契約条例は違法だと言ってきました。 私は最初、うかつにも222条の条文に直接当たることなく、だからといって全く予算を伴わない条例なんてほとんどないんだから、議員に予算編成権はないんですから、そんなことを言ってしまうと議員は条例を提案できないじゃないかと反論するにとどまっておりました。 しかし、専修大の晴山先生から次のような御指摘をいただいたとき、私は仰天しました。指摘はこうです。この規定は地方公共団体の長を名指した規定である。つまり、地方自治法222条は「地方公共団体の長は」と書いて、予算措置の見込みなしに条例等を議会に提出してはならないとしているのであって、市長を規定しているのであって、議会を直接に規制するものではないことは、実は文言上明らかだったのです。これは一体どういうことなんでしょうか。議員が法律に詳しくないことを見越して、読まないだろう、読んでも理解できてないだろうとたかをくくった上で、はったりをきかせたとしかとれないのではないでしょうか。 言いっぱなしにならないように、これは質問の形にしておきます。何か御反論があればどうぞおっしゃってください。反論がなければ、この問いに対してはお答えの必要はありません。 当局は、この条例が成立しても何としても違法のぬれぎぬを着せて再議にかける、そういうおつもりなのでしょうか。そして再議に続く手続としては、違法再議の場合、県知事、総務大臣など出るところに出るということになるんですけれども、それで決着をつけようというお考えなのでしょうか。 出るところに出るということについては、思い出していただきたいことがあります。築地の土地区画整理事業のボールペン事件、ありました。レターケース事件でもあります。当時監査委員であった私の監査を実力で阻止した市当局の違法行為に関して裁判所が出した判断を思い出していただきたいと思います。行政機関同士の争いは行政機関の内部で解決しなさい、裁判所は判断をしないというものであったのではなかったでしょうか。その判断で、行政組織は実は救われたのではないですか。お忘れでしょうか。あのときは都合がよかったから口をぬぐって知らぬ顔を決め込み、今回は気に入らないから出るとこに出ようということになるのでしょうか。お伺いするまでもないと思いますが。 話をもとに戻します。 我々は、当局の違法の指摘にこたえて当初案を変更しました。しかし、その変更案に対しても最初の見解と何らかわることのない意見が返ってくる。しかもこのようなお粗末な法律論まがいのおまけまでくっついてくるに及んで、私たちは、自分たちがやっているのは実はキャッチボールではないのではないかとの疑いを持たざるを得なくなっています。投げ返されているのは、どうもボールではなくて石ころのようです。それが、御存じでしょうか、フリスクという食べ物のコマーシャルのように的外れの方向に飛んでいってくれるのならばまだよいけれども、笑っているわけにはいきません。当たるとけがをしますから。 繰り返します。私は、尼崎市が行財政構造の改革に当たって、行政サービスの根幹である労働力の使い方について、これまでの矛盾だらけの、その場しのぎの方策にかわる合理的な仕組みをいかにして見出すかという問題に直面しているのだと考えます。 繰り返します。労働力の使い方についての今申し上げた問題点は、次の2つであります。 1つ目、尼崎市の公務員の人件費が職種によっては民間労働力の適正な価格との間に合理的には説明のできない格差を抱えていること、それが財政的圧迫をもたらしていること、しかし、市の人件費に関する体系が、それが是正できないほど硬直化しているということです。仕組みを変える必要があると思います。 2番目、これを放置したまま、その矛盾の解決策の一つとされた民間委託が経済効率第一主義、競争入札至上主義に走ることにより、さまざまな弊害が起こり、また危惧されるに至っていること、この2つです。 お伺いします。これらの問題意識は共有をすることができるのでしょうか。その解決に向けて議員との、議会との協働はできるのでしょうか。 そもそも、公契約条例の提案に至る道筋を振り返ってみます。 公契約条例の問題は、数年前から複数の議員から一般質問等で提起をされてきました。そして、条例制定をめぐる陳情がそれに続いて採択をされました。そのいずれについても当局は実施困難を主張しました。その中で、議員が条例を提案する、そして提起された問題にかかわるような事件がその前後に頻発してきたわけです。その中でこの議論は進んできたのです。その議論の中で、条例をつくるのは長の権限を侵すなどという先ほどのはったりのような議論が出てきてしまいました。 最近数年、市当局は、市長の権限、議会の権限を明確にしよう、市長の提案権を侵さないでほしい、それに対しては議会は議決権をもって対処すればいいではないかという態度を私の見るところとっています。実は私は、この態度を高く評価しています。これが、地方自治法が求めている当局と議会の関係そのものだからです。しかしその場合、議会にも条例提案権、制定権があることをないがしろにしてもらっては困ります。議会は、究極的には条例制定権、議決権をもって市の政策に関与するのです。 先ほどからのはったりのような議論で疑いが生じたので、改めて伺います。議会も条例制定をもって市の政策を形成する権限を持っていることをお認めになりますか。 以上、市行政の労働、雇用への向き合い方について質問をしてまいりました。この話の最後に、私がこのテーマの典型だと考えている折、しかも今に至るも問題意識は理解してもらえていないかもしれないことに触れて、このテーマの結びとします。 昨年の今ごろ、市民課入力業務の派遣労働者のストライキに際して市長が示した考え方についてであります。市長は、労働組合からは鬼のようにののしられました。しかし、あの市長の考え方、私は実はあれはあれで正しいのだと思います。 1つ、税金を使うのだから、できるだけ安く仕事をしてもらうために透明公平な入札をする必要があるのだ。2つ目、入札は1年ごとが原則だが、この仕事の継続性が必要なので、3年間随意契約でそれをつなぐ。3つ目、しかし、だからといって、入札で決まった価格を途中で変更することは、入札の透明、公平に反するからできない。まことにそのとおりです。筋が通っています。ただし、それには買い手の論理としてはという制約がつくのです。買い手の論理に対しては、売り手の論理が他方にあり、両者は本質的に対峙します。このことが問題の本質なのです。 その上で、労働力の売買に関しては本質的に売り手側、労働者側が弱いこと、売り手側の値崩れは人権にかかわる、生命にかかわることなどにかんがみて労働者保護の法制がつくられていると言えます。その法制が今、本来の目的、機能を果たしているかどうかという問題はありますが、しかし、そこまで踏み込めなくても、あの事件の背景に私がここまで示したような市の雇用における不条理があることを考えれば、そのような一面的な論理では問題は解決できなかったことは明らかだったのではないでしょうか。 このことを結びに第1問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
    ○議長(塚田晃君) 答弁を求めます。 白井市長。   (白井 文さん 登壇) ◎市長(白井文さん) それでは、酒井議員の代表質疑に対しまして、順次お答えを申し上げます。 まず、職務給の原則の趣旨に従い、給与体系を見直すべきではないかといったお尋ねでございます。 地方公務員の給与決定の原則につきましては、地方公務員法において職務給の原則のほか均衡の原則及び条例主義の原則があり、これらの原則が遵守される範囲内で給与体系を見直すことは法的な主張はございません。 現在、本市の給与体系につきましては、さまざまな職場への異動もあることから、現行では教育職、消防職を除き同一の行政給料表を適用しているところでございます。 本市の財政状況は極めて厳しい環境にあり、今後とも人件費の抑制ついては避けて通れない課題であり、給与水準の適正化については、引き続き、さまざまな面から検討してまいりたいと考えております。 次に、市バスの武庫営業所の民間委託に関連して、ワークシェアリングなども提案すべき責務があったのではないかといったお尋ねでございます。 職員の退職によらず、給与水準を下げてでもワークシェアリングを提案すべきでなかったかとの御指摘でございますが、交通局におきましては、3年連続して赤字予算編成となるなど非常に厳しい経営環境にあることから、平成20年9月に次期経営計画策定までの間における経営改善に向けた取り組みを策定いたしております。その取り組みにおきましては、まず希望退職を募るなどして定数削減を行い、管理の受委託を実施することにより、経費削減効果を出すことが不可欠であると判断いたしております。あわせて、職種、業務内容に応じた勤務体系及び給与水準の再構築など勤務条件の見直しについて取り組むこととし、昨年9月には労働組合に対し、実労働時間性の導入及び給与水準の見直しについても提案いたしております。 こうしたことから、管理の受委託につきましては引き続き実施に向けて取り組んでまいりますとともに、民間との格差があると指摘のある勤務条件の見直しにつきましても、これまで以上に労働組合と協議を重ね、局の置かれている状況について十分理解を得る中で、取り組み可能なものから早期に実施してまいります。 次に、公契約条例に関する当局見解についてのお尋ねでございます。はったりをきかせているのではないかという御質問でございます。 公契約条例におきまして、憲法第27条第2項に基づき、制定された法律において定めるものと異なる労働条件を定める場合には憲法違反の問題が生じるおそれがあるといった見解につきましては、先日の総務消防委員会において文献をお示しし、説明させていただいたところでございます。 また、地方自治法第222条第1項の規定は、議会を直接に規定するものではございませんが、議会の議員が予算を伴う条例案を提出する場合におきましても、自治省行政課長通知によりますと、この規定の趣旨を尊重して運営されるべきで、あらかじめ長との連携を図って財源の見通し等意見の調整をすべき旨が行政実例において示されているところでございます。 公契約条例は、その運用に相当数の人員増が必要になるなど多大なコストを要すると見込まれるところ、提案に当たって、その財源の見通しなどについて長と意見の調整がなされておらず、自治省行政課長通知による行政実例の内容に照らしましても、地方自治法第222条第1項の趣旨に反する要素があると意見を申し上げた次第でございます。 次に、職員の給与体系が硬直化しているため、人件費削減手法により安易に民間委託した結果、さまざまな問題が生じていることを認識しているのか、その課題解決に向けて議会と協働していく姿勢はあるのかといったお尋ねでございます。 市の業務のアウトソーシングにつきましては、これまでも民間の専門的知識、ノウハウを活用することにより、行財政運営の減量化、効率化や市民サービスの向上を図るという観点から順次取り組んでまいりました。しかしながら、それらを進めるに当たりましてはさまざまな課題が生じてきたことも十分認識しております。 今後、市政運営していく上で、コンプライアンスの徹底を図ることはもちろんのこと、議会と行政とがともに役割を果たすことが不可欠であり、このような課題についても議会において積極的な議論や審議をいただき、取り組みを進めてまいりたいと考えております。 次に、議員の議案提出権についてのお尋ねでございます。 議員の議案提出権が法で規定されておりますことは認識いたしております。議会と長は、それぞれの権限を尊重しながら住民福祉の増進に努めていかなければならないものと考えております。 以上でございます。 ○議長(塚田晃君) 酒井一君。   (酒井 一君 登壇) ◆10番(酒井一君) お答えをいただきました。 直接雇用職員の給与については以前と動きのないお答えですよね。 市バスのワークシェアリングのチャンスだったというお話については、労働条件の切り下げも提案をするんですと、両方あわせてやりますとおっしゃるんですね。それは結局は、両方足し合わせてしまうことによって、そこには何の理念も生まれない、新しい考え方は生まれていないということになります。どうせどの道、職員のお給料や労働条件について、職員さんたちに気の毒なんですけれども、提案をせんならんのやったら、せっかくだったらみんなでやっていける道ということを提案ぐらいはしたらどうかということが私の趣旨です。そのことについてはお考えが及ばないのでしょうか。残念なことですね。 それから、公契約条例についてお答えをいただきました。 だから、憲法27条が法律に委任をしている、その法律に基づいて、つまり最低賃金法、労働基準法その他に基づいて定めてあることについて違法であるという主張は別途伺いました。文献を示してもらったので私も読んでみましたけれども、そのもとを書いた学者だか何だかが言っているのがこのことなんです、条例には委任していない。そのことがおかしいと思ったから、要するに根っこまでさかのぼって、どうも妙なことを言っていると思ったから、私はこのように質問をさせてもらったんです。最低賃金法や労働基準法に触れるという議論ならば、それは別途やっております。問題が違うと思います。 それから、予算編成権との問題、地方自治法第222条ですね。予算等ちゃんと長と調整してからやりなさいよというふうにその法律が解釈されるいうことについては私も承知をしております。だからこそ、市当局はこの条例について意見がありますかと問い合わせたわけです。それに対して返ってきたお答えは、違法の疑いがある、違法または違法の疑いがあるということ以外は返ってきませんでした。これについては、これだけのことを、これだけの条例を定めると、こんな予算が要るんだと。それを例えば削減するために、費用を抑えるためにこんな工夫はできないかとか、そこは提案がなくても、こんな費用がかかるんだから、これについては何とかしてもらわないととても予算は組めないという返事が返ってきた後であったら、そのようなお話も承ることはできますけれども、そういう返事は返ってこなかったんですよね。そうすると、これは対話不可能ということにならざるを得ないのではないですかということです。今後も話は続いていかざるを得ないと思っています。 2問目に入ります。 労働力の使い方の後ろ半分というか、民間からの労働力の使い方、一番最初に申し上げた2つ目について質問を続けてまいりたいと思います。 広義の民間委託というふうにちょっと言わざるを得ませんので、これをまず御理解ください。民間委託、そして移管、そして指定管理者制度など市のサービスに民間の雇用される労働者を使うという考え方です。 これについて、民間の力の活用、官民の役割分担という大目標が、さきに示した人件費の矛盾解消という、より下位の、より下の目的のためにゆがめられ、振り回されていることについての質問です。 例を挙げていきます。 1つ目、先ほども触れました市バスです。 市バスに関してはさまざまに計画が挙げられています。私は、その順番が問題だと思えてなりません。市バスについての計画を立てるならば、本来、次のような順番であるべきでしょう。1つ目、尼崎市全体の公共交通について、その需要と供給、そのあり方を描く。2つ目、そのもとで鉄道、バス、ミニバス、タクシーなどさまざまな公共交通機関の種類や経営形態ごとの役割分担を描いてみる。そして3番目に、その中で公営バスの果たすべき役割を定める。その公営バスのあり方の中で、採算路線と公共路線、社会的・福祉的路線を線引きして税金の投入ルールを再構築する。公営バスの公共交通全体のリード役としての役目などを定める。そして運行委託するなど、公共交通の経営に関することもこの文脈の中で考えるべきことだと思います。 ところが、実際の順序は民間委託と希望退職による経営合理化案が出ました。公営企業審議会での経営の形の検討は、それと順序がひっくり返って後になりました。そして最後に、来年度予算で地域交通政策のあり方検討会議をやるというわけです。全く物事を考える順序がひっくり返ってしまってはいませんか。これでは理念や価値基準が崩壊をしてしまって、また経済性だけに走ることになりませんか。というよりは、経済的な逼迫に追われて、体系立てて物事を考える、進めることができなくなっているのではないでしょうか。危機に直面したときこそ慌てずに、原理原則に立ち返って、そこから考え直すようにしないといけないのではないでしょうか。 2つ目、保育所についてです。 官民の保育所の役割分担ということが言われているわけです。公立保育所の今後の基本方向という市の計画では、保育サービスの提供については基本的には効率的な運営ができる私立保育所が担うことが望ましいとした上で、公立保育所の役割として、契約制度のもとで民間保育所に入れなかった子の受け皿・最終保障、確保されるべき保育水準の模範・リーダー的役割、さらに地域の子育て支援の拠点機能、そして採算性の観点から民間では実施が難しい休日・長時間延長保育などの実施を挙げています。 ところが、実はこれまで、このような採算性の悪いサービスを必ずしも市立の保育所が先導できていたわけではないという事実があります。今、民間保育所を基本とする中で不採算サービスを市立保育所が担うというんだったら、これまで市立保育所でそれができなかった理由、これを私は、そこには人員配置や労務の問題があったのではないかと考えていますけれども、それを検証し、その克服策もあわせて示してもらわねばなりません。しかし残念ながら、この基本的方向にはそんなことはどこにも書いてありませんでした。 お伺いします。 これまで、市立保育所で採算性の観点等から民間では実施が難しい種類の保育サービス、ゼロ歳児保育、それから障害児保育は市はやってきたと言うんですけれども、私は、重度障害児の保育に関しては民間が率先して担ってきた歴史があると思っているんですけれども、ちょっと今回論証不能ですので、一応仮に挙げておきます。ゼロ歳児保育については確かですよね。延長保育が実施できなかった理由、これは何なんでしょうか。それは、じゃ今後の計画の中ではどう克服をされるのでしょうか、お伺いします。 次に、確保されるべき保育水準について、市の保育の担い手の主力を私立保育所とする理由は、運営経費面あるいは機動性や柔軟性というふうにされています。運営経費面、つまり経済的効率がねらいなのでしたら、その私立保育所に市が求める保育水準、市の保育全体としての保育水準、内容を担ってもらえるようにする、これも仕組みが必要だと考えますが、それはどのように構築をされるお考えでしょうか、お伺いします。 学校給食について。 直接雇用の労働者の雇用問題と給食内容の改善という矛盾がありました。給食の内容改善計画が今回、学校耐震化との兼ね合いを理由にスピードダウンしています。しかし、スピードダウンしているのは給食室の改修であります。古い給食室では何もできないのでしょうか。 4年間で実施するというそもそものペース、これは他都市の給食関係者、民間委託に関してですけれども、驚かせました。そしてそればかりではなく、民間委託を伴うので、現在給食調理に従事している職員の雇用にも大きな不安を与えました。しかし本来は、4年間という計画の目的は、改善された給食の提供が子供たちに対してあちらで早くできているのにこちらは遅いということができる限りないように、不公平がないようにとする考え方から出たものと伺っています。だとすれば、給食室の改修がおくれることで給食の改善がおくれることは、教育委員会にとってもとても不本意なことだと思います。 古い給食室では、改善計画の内容すべてを実現できないことはわかっております。せめて一部の献立増ぐらいは何とかならないのでしょうか。現在の直営の職員では、それは工夫はできないのでしょうか。事によると、そのためには現在の職員に働き方の変更を求めなくてはいけないかもしれませんが、提案をしてみてはどうでしょうか、考えてみてはどうでしょうか、お伺いをします。 4つ目には、指定管理者制度です。その適用の基準について。 本市では2004年度から、従前の公共施設の管理委託制度から指定管理者制度を本格的に導入しました。国の方針は、公的施設管理に公募等で民間参入を促して、官から民への構造改革路線のもと、民間活用と市民サービスの向上、管理経費の削減を目的とするものだと言われていました。 本市で指定管理者制度をとる施設は、現時点で団体、共同を含めて26施設ありますけれども、そのうち6割の14施設が非公募で指定管理者が選定されています。そして非公募の指定管理者のほとんどが市の外郭団体であります。これは、指定管理者制度導入以前の委託先団体を指定管理団体とするとしたため、そのほとんどが非公募となったものです。 ところがです。指定管理制度の指針ともいうべき2005年の指定管理者制度についてという市の文書では、次期指定時、つまり2007年度までに民間業者による代替の可能性も見きわめる中で、改めて選定方法を検討するということになっています。つまり、公募にするか非公募にするかは再点検するとしていたのです。 ところが、その次回選定の結果が議決されたこの議会でも、各施設を当初から公募にした理由または非公募にした理由、非公募から公募に切り分けた基準等が明確にされないまま、施設が公募、非公募に振り分けられていることが議論になりました。理由が考えられるとすれば、同要綱に示された専門的かつ高度な技術を必要とする特定の団体を選ぶということなのでしょうけれども、この基準からすれば、公募となった例えば総合老人福祉センター、例えば身障者デイサービスセンター、例えば勤労婦人センターなどは、非公募のほうが基準に合致するのではないかと考えますが、改めて基準の明確さが必要と考えます。 お伺いします。 現時点で、これらの施設の公募、非公募を振り分ける基準は何なんでしょうか。その基準に照らして、今挙げた3施設については公募とした理由をお示しください。そして、今後も指定管理の期間終了のたびごとに公募、非公募を改めて検討していくのでしょうか、お答えを願います。 次に、多くの施設の指定管理者に選定されている外郭団体のことについてお伺いをしてまいります。 2007年の外郭団体の統廃合及び経営改善という文書において、市は、1つ目、施設管理の要素が強いものは、今後は競争性のある公募に切りかえていく、2つ目、対人サービスにかかわる継続性、公益性を必要とするものついては非公募とする、3つ目、外郭団体と設立目的が一致するものについては外郭団体に移管をするとしていました。 さて、今回、指定管理者の2度目の選定が出そろった現在、全体を見渡しますと、先ほども申し上げたように依然として指定管理者の約6割が非公募です。これは、対象施設の多くが実は官民の市場競争になじまないということを認めたかのようです。 さらに、施設によって指定期間が3年であったり5年であったり、はたまた10年であったりしています。具体的には、知的障害や肢体不自由児の療育相談に責任と継続性が最も求められるあこや学園、たじかの園、身障者福祉センターが期間が3年です。墓園管理は5年です。老人福祉センターは10年です。このような期間の差はなぜあるのでしょうか、御説明をいただきたいと思います。 また、これら福祉施設については、対人サービスと継続性の理由だけではなく、安定性と団体の適正と質の確保も問題意識にあったものと考えます。ならば、非公募での指定管理について、統一した長期的な契約期間も検討すべきだと考えます。これも御答弁をいただきたいと思います。 最後に、このような外郭団体についてお尋ねをしてまいります。 地方財政健全化法で、外郭団体の隠れ借金も健全化の指標となる。自立性が求められるようになってきました。しかし、その多くが市長、副市長が理事長を兼務するという中で、トップとしての実務を十分に果たせないまま、実際に現場での仕事の効率性を目指す改革や利益向上策が進められてこなかったという面があります。そういう中で統合、廃止に至った団体もあると考えます。 組織の方向性を議論する中で、脱お役所としての経営体質が求められています。今回、社会福祉協議会が総合老人福祉センターの指定管理者の選定において10年という期間を得ることができたのも、社会福祉協議会のトップが民間から入った人で、自立して交渉に当たられたことも影響があったのではないかと考えています。 また、エフエムあまがさきでは民間人の責任者を入れることで経営が好転しているということも聞きます。外郭団体の自立、経営改善のためには民間人の公募を含めたトップ人事の交代も必要だと考えますが、当局の御見解を伺います。 続いて、指定管理者選定の方法の公開について伺います。 指定管理団体の公募から応募団体のプレゼンテーションを実施して、最終選定の会議を経て選定結果が議会に諮られます。この選定過程が市民に公開される必要はないのでしょうか。特に団体のプレゼンテーションは、その団体が応募した理由や事業姿勢、管理運営経費の縮減方法、その他の自主企画事業など、選考委員が評点をするときの参考となる質問のやりとりがあります。それは、実は市民が最も知りたい内容であります。そのことは、指定管理者に限られたことではなく、学校給食の委託先の選定や保育所の移管先の法人の選考過程にも言えることです。 本市では、2005年に作成した指定管理者制度についてでは、選定委員会の会議は原則公開にするとされています。しかしながら、我が会派議員が要求して公開をされたのは市の母子福祉センターの指定管理者の選考会のプレゼンテーション1件のみです。その後、選考会の傍聴を幾ら要求しても、委員の同意が得られないとして、プレゼンテーションの公開も選考会議の公開も原則的には認められていません。理由は、応募事業者の経営内容に関する事業所の情報を保護するためだとのことです。しかし、実際はそれらは書類審査でもって判断されますので、会議を公開したからといって特段秘密が守られないとは思いません。 市母子福祉センターの指定管理者の選考を傍聴した我が会派の同僚議員は、応募団体の管理方針や企画事業が理解しやすくて、透明性があって大変よかったという感想を述べておられます。高槻市などでは、市の施設を管理委託する業者の選定は公開を原則にしています。実際に市のホームページで選定委員会の会議録を公開しています。 お伺いします。 事業所の経理等の情報保護を言うならば、関連する箇所は伏せるなどして会議録としての公開が可能だと考えますが、いかがでしょうか。また、先般の今福保育所の民間法人への移管では、希望する保護者にはそのような情報を公開したとのことですが、ぜひ公開を求めます。お答えをいただきたいと思います。 清掃業務についてです。 3人の職員と1人の業者の逮捕、大がかりな捜索、長期拘留、起訴という派手な捜査ぶりと、他方でそれぞれの逮捕された職員のお人柄、どうにもその話の中にお金のにおいがしないこと等々との間にギャップを感じているのは私だけでしょうか。職員において金銭の授受など私利私欲が絡んでいないとすると、今回の事件は競争入札によっては委託目的、つまり業務の質を確保できないと職員が考えたことが動機だと思われるのですが、しかし、そうだとすると、そのときに彼らには、例えば学校給食におけるプロポーザル方式、例えば保育所移管先や指定管理者選定におけるようなその業務の内容を判断基準に加えた選定の手段は与えられてはいなかったのではないでしょうか。 お答えください。当該業務の業者選定において価格競争入札以外の方法をとることは、当該職員たちにとっては可能だったのでしょうか、不可能だったのでしょうか。もし不可能であったとしたら、この事件は、競争入札制度の弊害を回避しようとしてその手段を誤ったという痛ましい事件だと言わざるを得ないと思います。どうお考えでしょうか。 6番目、同じく清掃関係ですけれども、一般廃棄物収集の入札で危惧される競争入札の弊害ということです。 今回、本格的に一般家庭廃棄物の収集において競争入札が実施されます。その落札金額の低さを見て、業務の遂行に支障はないのかという危惧を抱いています。業務の遂行の担保のためというふうに廃掃法が定めています。その担保のために最低制限価格を設定したというふうに聞いていますが、その数字は非公開でしょうから議論がしにくいのですけれども、お伺いします。最低制限価格の設定は業務の遂行を担保するという目的の機能を果たしたとお考えでしょうか、お答えください。 今回、1点集中でやると申し上げましたけれども、もう1点、別の問題です。申しわけありません。市の財政についてです。 今回の金融危機、世界不況というのは、単なる不況ではないというお話が今までの質問でもるるありました。実体経済との連関を失って膨大に膨れ上がってしまった金融資産が投機に走って金融バブルをもたらし、そして自己崩壊した。いわば金融災害とでも言うべき様相を呈しています。そして、この金融災害が実は実体経済をおぼれ死なせて、溺死させつつあるという状態なわけです。 私たちは、きのうと同じように働いて消費をしています。その実体経済の周期的変動と無関係に、金融が野放図に膨張し自己崩壊をしたわけです。先日の畠山議員の質問にもありました。本来、経済の脇役であるはずの金融が肥大化して主役の座を占めて、この最悪をもたらした。 ミヒャエル・エンデという、「モモ」とかそれから「ネバー・エンディング・ストーリー」といえば御存じでしょうか。ドイツの有名な童話作家、亡くなりましたけれども、そのミヒャエル・エンデが、彼は哲学や経済学についてもたくさんの言及をなさっているんですけれども、お金というものについて根本的な考察を加えています。彼はその中で、「パン屋さんでパンを買うときに使う代金としてのお金と株式市場で使われる資本としてのお金は、全く別のものだということを考えなくてはいけない」というふうに言っています。私たちもこのことを考えなくてはならない時期に来たのかもしれません。 さて、ではこの経済危機が財政再建途上の尼崎市に与える影響はどうなのでしょうか。素人考えでも、地方税は翌年度、前年度の経済に対して掛けられるので、来年度よりも再来年度のほうがもっと税収が落ち込むものと考えられますが、どのような御見解をお持ちでしょうか。 そして、基金はいよいよ本当に底をつきました。財政調整基金は20年度末の額で計算しますと尼崎市民1人当たり百数十円、200円を切るという状態になっています。ないと言ったほうが正しいわけです。これは、生活習慣病が熱にかかわる状態になったから改善に取り組んでいたところ、まだまだ回復にはほど遠いのに、襲ってきた寒波で悪性の肺炎を重ねて引き起こしたような状態というのが妥当なところかなと思います。生活習慣病の改善の手をもちろん緩めるわけにはいきません。しかし、眼前の急性症状への対応も手を抜くと命にかかわります。 構造改革に加えて緊急非常の手段も模索することになるわけですけれども、ところがそれぞれの対策、対処は相互に矛盾をすることが多いわけです。急性の市民生活の悪化に対して社会保障を確保すれば、慢性の財政構造には悪影響が出るというジレンマです。同時並行的に実施することが必要ですが、相互に明確な区分をしておかなくてはいけません。そうでないと、財政構造改革の手を緩めたように見えて改革の切っ先が鈍ってしまいます。 具体的に申し上げます。住居手当の減額や来年度の職員の一時金のカットは緊急非常の対策の一つということなのかもしれません。しかし、急場しのぎだからいいかげんにしてもいいということではないと思うのです。 まず、住居手当について、その削減は今回の財政難に対する緊急措置なのかと思います。しかし他方で市内居住に関してはカットを据え置いたというのは、市内居住誘導策のおつもりなのかと思います。しかし、両方あることによってどっちつかずで、一見とても非合理なことになってしまいました。市内居住誘導策としての効果は大変疑わしいと言わざるを得ません。大体が既に市内に家を持っている職員、どちらかというと御家族もあってという中年から高年の職員にとって、月3,500円の差が改めて市内転居の誘引となる可能性は大変低いと言わざるを得ません。そもそも住居手当に市内居住誘導を担わせることに無理があるわけです。もともと持ち家と借家の手当額の差があるわけですけれども、これには私は合理性がないと考えています。 そのような欠点ももともと住居手当の制度は持っているわけですから、財政的問題から対処するならばいっそ全廃したほうがよかったと思います。全廃するという方向についてのお考えをこの際伺っておきます。 その上で、市内居住の誘導策としては別途、これから家を買う若年層の職員に住宅取得支援をするとかいうことでも考えたらよかったのではないかというふうに思います。 次に、一時金のカットについてお伺いします。 一時金の10%カットというものを予算の中に組み込まれました。人件費抑制の構造改革に手をつけたのかと一瞬受け取ったんですけれども、どうもそうではないようです。一時しのぎのようです。住居手当もそうだったように、これも職員団体との合意が済んでいないということを聞きます。 労使の慣行の破壊を伴うと、そこでは、いやことしだけですよという言いわけをしなくてはならなくなると思います。改革の切っ先が鈍ってしまいます。人件費抑制ということに手をつけるのであれば、一時しのぎの財源捻出ということではなくて、私の質問前半で示しましたような給与体系の抜本的な改革、そのことによる総人件費の抑制に踏み込む第一歩にでもすべきだったのではないでしょうか、お伺いをしておきたいと思います。 以上で第2問目を終わります。(拍手) ○議長(塚田晃君) 答弁を求めます。 白井市長。   (白井 文さん 登壇) ◎市長(白井文さん) それでは、御質疑に対しまして順次お答え申し上げます。 まず、民間委託に関連しての一連の御質問にお答えいたします。 市営バス事業に対して、経済性だけに追われて物事を体系立てて進めることができなくなっているのではないかといったお尋ねでございます。 平成12年度の公営企業審議会答申におきまして、市営バス事業のあり方は総合交通政策のもとで審議を展開することが望ましいという指摘をいただいておりました。しかしながら市営バス事業は、平成19年度には赤字基調となり、平成21年度より資金不足を生じ、後年度に多額の不良債務を抱えることが予測されたことから、市民の足であるバス交通を維持するため、公営企業審議会を設置し、そのあり方を御審議いただくこととしたものでございます。 また、平成21年度に設置いたします尼崎市地域交通会議は、バスを中心とした交通体系の整備など地域交通政策の指針づくりに取り組むこととしております。 今後は、公営企業審議会からの答申並びに地域交通政策の指針におけるバスの役割などを踏まえる中で、市として総合的に市営バス事業の方向性をまとめてまいりたいと考えております。 次に、公立保育所で、採算性の観点等から、民間では実施が難しい保育サービスが実施できなかった理由についてのお尋ねでございます。 公立保育所の今後の基本的方向の中で、公立保育所が果たすべき3つの役割を掲げ、その一つとしまして保育に欠ける子供の受け入れを保証する役割を定めております。その中で、採算性の観点等から民間では実施が難しい保育サービスの例示的な事業として、休日保育や長時間延長保育等の実施を検討していくと示しております。そうしたことから、公立保育所としての役割を果たすために必要と考える保育サービスについても現在検討しているところでございますが、過去のニーズ調査では利用希望が少なく、また地域性までは把握しておりません。その具体的な実施方法までには検討が至っていない状況でございます。 今後につきましては、現在取り組んでおります次世代育成支援対策推進行動計画策定のための市民調査アンケートにおいて、どのような保育サービスが必要なのか、地域性も考慮した市民ニーズの調査結果を踏まえて具体化について検討してまいりたいと考えております。 次に、私立保育所に市の求める保育水準、内容になってもらえるようにする仕組みをどう構築するのかというお尋ねでございます。 本市の保育行政につきましては、これまでから国が定める基準に沿い、公立と民間の保育所が互いに協力して取り組んでまいりました。また、延長保育や障害児保育などの多様化する保育ニーズや待機児童の解消といった課題などに対しても、国や県の制度に加え本市独自の施策を一部実施することで、民間保育所の取り組みを促進してまいりました。 本年度、国から新たな保育所保育指針が示され、互いに情報を共有するとともに合同で研修会を開催するなど、保育水準の一層の向上に努めているところでございます。 今後も、こうした合同研修会などを通じて保育に関する情報やお互いのノウハウを共有するとともに、公立保育所と法人保育園の施設長による連絡会議を設置するなど、公私間の連携をより深めるための仕組みづくりについて検討してまいります。あわせて、4月から本市が中核市に移行することにより、法人に対する指導監査権限を有することから、さらなる保育水準の維持向上に努めてまいります。 次に、指定管理者制度についての一連の御質問でございます。 まず、公募、非公募の基準などについてのお尋ねでございます。 指定管理者の選定に際しましては、公正かつ透明性が確保されている手続等によることが必要であると考えており、複数の者から事業計画書を提出させることにより、最も適した者を指定管理者として指定することが望ましいと考えられるため、原則公募としているところであります。しかしながら施設によっては、利用者の自主的な管理になっているもの、専門的かつ高度な技術が必要であり、団体が特定されるもの、複合的施設であり、一体的管理が効果的と見込まれるものなどがあることから、これらに該当する施設については非公募としているところでございます。 次に、3施設の公募理由でございますが、総合老人福祉センター、身体障害者デイサービスセンターについては施設の維持管理的要素が高く、民間の社会福祉法人等でも実施できるサービスであるため、また女性・勤労婦人センターについては男女共同参画に取り組む団体が複数あり、市場性があるため、それぞれ公募としたものであります。 最後に、今後の公募、非公募の検討についてでございますが、現在、指定管理者制度を導入済みの施設における課題や問題点等の抽出を行い、現指針の見直しを進めてまいりたいと考えており、公募、非公募のあり方についてもその中で検討してまいる考えでございます。 次に、指定期間の差についてのお尋ねでございます。 指定期間については、本市では計画的な管理運営やサービスの継続性の確保などから原則3年といたしておりますが、維持管理に係る初期投資が多額である場合、利用者が特定される施設で事業者を長期的に継続する必要がある場合、一定の専門性を要する業務の場合などについては5年の指定期間としているところでございます。 なお、指定期間を10年としている老人福祉センターの4館については、事業者である社会福祉協議会がボランティア活動等の拠点として新たな事業などに取り組んでいただくことを目的としていることや、生きがい促進協会との統合において雇用面の問題を解決する必要があったことなどから、長期的な期間を設定しているところでございます。 次に、非公募の指定管理施設は統一した長期的な期間を検討すべきではないかといった御質問でございます。 現在、指定期間については、公募、非公募を問わず、施設のサービス内容や専門性等を踏まえた上で定めているところでございますが、非公募の場合は、施設の設置目的や性格等から安定的に同一の管理者による長期的な管理が望ましい場合もあると考えられます。しかし一方で、契約時点では非公募であっても、その後、代替できる民間事業者等が台頭してくる場合も想定されるため、長期的な契約期間については統一的ではなく、おのおのの施設における事業内容の市場性等を十分に把握しながら検討していかなければならないと考えております。 次に、外郭団体の自立、経営改善には民間人の公募を含めたトップ人事の交代も必要ではないかといった御質問でございます。 外郭団体の自立あるいは経営改善を行うに当たり、団体のトップあるいは幹部に民間人を登用することは、組織の活性化や民間の発想を取り入れるなどの点において有効な手段の一つであると考えております。 そうした中、団体の人事につきましては、それぞれの団体みずからが決めることではございますが、公益法人制度改革に伴い組織を抜本的に見直す必要性も生じてまいりますことから、運営に関与している市としましても、民間人の登用も含めた多様な人材の活用を図るよう引き続き助言等を行ってまいりたいと考えているところでございます。 次に、指定管理者の選定の公開についてのお尋ねでございます。 選定委員会の会議については原則公開としているところでございますが、プレゼンテーションの内容が企業のノウハウに属し、公開することで企業に不利益が生じる可能性がある場合など、委員の判断により非公開とされている会議がございます。しかしながら、御意見のように企業名等を伏せるなどして会議録を公開することは、市民や施設利用者にとっても安心につながり、有意義であると考えられることから、応募事業者の意見や他都市の事例なども参考にしながら、可能な範囲で公開できるように選定委員会の判断を求めてまいりたいと考えております。 次に、今回の卸売市場の契約は、価格競争入札以外の方法が与えられていなかったため起こったものではないかというお尋ねでございます。 プロポーザル方式は、参加者のうちから企画、提案能力のある者を契約の相手方とするもので、契約の性質等によってその必要性を加味しながら、それぞれの所管課で判断していくものでございます。 プロポーザル方式による契約は複数の部局において実施しておりますが、お尋ねの卸売市場の契約につきましては、当該業務の内容等から価格以外の要素を評価して落札者を決定するような性格のものではないと所管課が判断したものと考えております。 一方、今回の事件につきましては、所管課において契約事務を行うことができる範囲やその根拠を明確にしていなかったことが一因になっていたと考えておりますことから、このことを真摯に受けとめますとともに、再発防止に向けて契約事務規定を制定し、研修を実施するなど、契約事務の適正な執行に向けて努めているところでございます。 次に、今回の一般廃棄物収集運搬業務委託の入札において、最低制限価格はその機能を果たしたと思うかというお尋ねでございます。 廃棄物処理法及び同法施行令には廃棄物の適正処理を確保することを趣旨とした委託に関する基準が示されており、その一つとして、委託料が受託業務を遂行するに足りる額であることと定められています。先般の一般家庭ごみ収集運搬業務委託における競争入札の実施に際しましては、この基準を踏まえ、最低制限価格を設定したものでございます。 業務が適切に遂行されるかどうかにつきましては、来年度に委託業務を実施する中で、委託地域におけるごみ処理状況等を踏まえながら検証してまいりたいと考えております。 次に、市の財政について、平成21年度より平成22年度のほうが税収が落ち込むのではないかというお尋ねでございます。 平成22年度の税収の見通しにつきましては、経済動向が不透明な中、さらなる落ち込みも危惧されるところでございます。今後、景気の動向を十分注視し、また国・県の動向を見据える中で、緊急的な財政上の手だても含めまして、その対応を講じてまいる考えでございます。 いずれにいたしましても、財政再建と市民福祉とのバランスに留意する中で、プランに基づき着実に構造改善を推進していかなければならないと考えております。 次に、住居手当は全廃すべきではないかというお尋ねでございます。 本市の財政状況につきましては極めて逼迫した状態にあることは認識しておりますが、給与制度につきましては人事院勧告に準拠した国制度を基本としております。本議会において、市内居住促進の一環として当分の間、市内居住者については現行どおりといたしましたが、今後、市内居住の促進状況について検証を続ける中で、より有効な手だてをさまざまな観点から検討してまいります。 次に、給与体系の抜本的改革による人件費の抑制についてのお尋ねでございます。 人件費の抑制につきましては、定数削減に加え、これまでも給与水準の適正化を図るべく、国を上回る給与構造改革の実施、各種制度や諸手当の見直し、地域手当のカットなどを進めてまいりました。今回の期末手当の削減につきましては、基金も枯渇する状況の中で予算編成上の緊急措置の一環として予定しているものですが、総人件費の抑制や給与水準の適正化などの構造改革につきましては、今後とも引き続き国や他都市との比較検証も行い、取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(塚田晃君) 村山教育長。 ◎教育長(村山保夫君) 古い給食室であっても、給食内容の改善に対する一部の献立増はできないか、また直営職員の働き方の変更等を伴う可能性もあるが、何か工夫はできないかというお尋ねでございます。 自校炊飯による米飯回数の増やスチームコンベクションオーブンによる献立の多様化及び3品献立の充実等の給食内容の充実の取り組みにつきましては、給食室の整備にあわせて新たに調理備品を整備することによって実施しているものでございます。 また、給食内容の差による不公平感を短期間で解消する必要があると考え、4年間で給食室を整備する計画としておりました。 しかしながら、校舎の耐震化により給食室整備に影響が生じております。 今後の給食室整備につきましては、平成21年、22年度に前倒しで実施していく予定としております校舎の耐震診断の状況を踏まえて検討してまいりたいと考えております。また、その検討にあわせて、給食内容の充実に向けてどのような方策をとり得るかということも、学校関係者と十分に調整しながら検討してまいりたいと考えております。 ○議長(塚田晃君) 酒井一君。   (酒井 一君 登壇) ◆10番(酒井一君) 御答弁をいただきました。ちょっと触れていきたいと思います。 保育所についてのお話で、私立保育所に対して尼崎市が尼崎市として求めている尼崎市の保育の水準なり内容というものをどうやって担ってもらうのかということを仕組みにしなくてはいけないですよということなんですね、尋ねているのは。ですから、御答弁の中にありました中核市に移行するに伴って指導監査権がやってくるので、それでやっていきますということが対応するのかと思いますけれども、その中身が、これまで県においてやられていたような監査や指導、非常に不十分なものだったと私は思っているんですけれども、その中身をそのまま引き継いでやったら済みますということでは決してないと。市が根本的な方針として公立から民間へということをもし移すということにするんだったら、そこでの指導や、水準を引き上げていく内容を確保するという作業を制度化する、幸い中核市という権限がありますから、その中に盛り込んでいくでも構いませんけれども、制度化するということについて、何か目に見えるものを示して初めて民間の力と協働した保育という方針になると思うんですね。それから初めて私たちは、じゃ民間でやるのか公立でやるのかという議論をすることに実はなるんだということを考えておいていただきたいと思います。 それから、清掃の関係で、卸売市場の職員がやったことについての質問をさせていただきました。 価格競争入札以外の手段は選ぶことができなかったのかどうかということなんですね。それについては、価格競争入札の手段をとるということは所管課が判断したものと思うというお答えでした。それはそうですよね。そうですよねというのは私が予想したとおりなんですけれども、じゃ、これプロポーザルにしますということについて、妥当性があるかどうかは次の議論ですけれども、決して不可能ではなかった可能性がありますね。でも何でできなかったのか。仕組みがないからですよ。プロポーザルというのは、法制度上の仕組みとしては随意契約なんですね。随意契約というのは、いまや悪の権化のように言われているわけですよ。 競争入札と随意契約という仕分けの中での随意契約という手法の上に、実は新しい考え方である総合評価入札の考え方が盛り込まれているわけですよね。つけ加わっておるわけです、極めて恣意的に。恣意性は、その中身がよかったらいいですけれども、悪かったらぐあい悪いし、しかもそれは恣意的なので、それが必要なときに必ず使われるとは限らない。今回の例はそのいい例だというふうに考えるべきだと思いますね。 業務の中身について非常に心配だ、だから何かの方法をとりたいんだけれども、競争入札という制度以外には制度がないんですよ。プロポーザルという仕組みを仕組みとして制度化できていない、ここに今回の悲劇の原因の一つがあったのだろうと私は考えております。そのことを克服するための一つの提案が実は公契約条例であったんだと。したがって民間委託適正化条例と私は呼びたいという考え方になっているわけですけれども、そのようなこともぜひお考えをいただきたいと思います。 それから最後に、給与水準の適正化ということでずっと職員人件費の質問に対してはお答えになりました。給与水準を例えば押さえ込むということとしてどうもお受け取りのようです。しかし、言っている意味が違うんですよね。給料に職種に応じた合理性を導入しなさいと言っているんです。そのことによって全体として下げることができる可能性も生まれると思いますけれども、そうでなかったら、全員の給料を一律1割下げましたなんて話は、それはお金が出てきたにすぎないことであって、根本的に市役所の職員の、市のサービスにおける労働力の使い方の制度が変わったとは言えない。何でそれがないんですかという質問に、ついぞ今に至るもお答えがない。ここに、尼崎市に限らず今、地方自治体、そして国においてもでしょうけれども、公務員制度というものが陥っている一つの大きな矛盾があるんだということを申し上げておきたいと思います。 さて、最後に、以下は申し上げるだけにとどめておきます。 財政の危機です。さまざまな策が行われてきます。先ほど申し上げたように、構造改革ということがずっと引き続いて必要であることについては疑う余地がありません。なおかつその上で、今、目の前にある危機に対して対処をしなくてもよいということにもなりません。その策はどちらのためにあるのか、あの策はこのどちらのためにあるのかということにきちっとめり張りをつけて進めていかなくてはいけないと思います。 そのことを要望した上で、さまざまに、多分聖域なき財政対策と構造改革をこれからも進めていかなくてはならないと思いますので、幾つか言いたい放題を申し上げて終わりたいと思います。 1つ、予算が赤字になることを避けるというのは法で強制されていますけれども、だからといってできないことはできないんですから、これはどうしても赤字になりますということがあれば、形はどうあれ、以前に一遍組まれたように赤字予算という形にでもしたほうが、市民にはわかりやすいのではないだろうかということを思います。 それから、これはもうおっしゃった方がありますね。市債の償還繰り延べ、これは、構造改革という目的に関するととてもいけないことです。返さなくてはいけない借金は着々と返さなくてはいけない。しかし、だからといって、このような財政難、来年度、再来年度も続くであろう財政難の中で、使うのであれば償還繰り延べという手段も、これは財政緊急対策だということで、しっかりとレッテルをつけてから使うということも考えたっていいのではないかと思います。 ただし、そこまでやるんやったら、真っ先に地方自治体の経営の実は財政的な根幹を握っている国に対して、あんたから借りた借金もちょっと待ってもらわれへんやろかということも言うぐらいは言うてもええんちゃいますかということも含めて、あわせて申し上げておきます。 同じような問題として、競艇、今なお十数億円以上の公納付金をモーターボート競争会を初めとして支払っています。これは基本的には売り上げに準拠するようで、たとえ赤字になっても払わなくてはいけないというとてつもないお金なんですけれども、これについても、そもそも赤字でも払わなあかんというのはどういうことやということも言わなくてはいけないと思いますし、今この危機に当たって、ちょっと待ってくれも含めて申し上げていけないことは決してないと思いますので、御考慮願いたいと思います。 それから、お金を借りるということについては、これをやりたいから市民の皆さん、小口でもいいからお金を貸してくれませんかと。経費がかかりますから、その中ではすみませんが利子は勘弁してくださいというような呼びかけをしてもいいのではないかと考えています。 それから、職員の退職金、これはもう一般的に明らかに民間の水準との間に不合理な格差が存在します。減額を考える。困難は承知の上です。しかし、考えるという姿勢ぐらいはないと、財政難に対する対処の姿勢としては非常に不十分なものになると思います。給与のカットにしても、期限つきでも我慢してもらえませんかということもあり得ると思うんですね。民間の企業だったら、この状態は恐らく遅配や欠配が生じているという段階だと思いますので、御考慮願いたいと思います。 そして最後に、先ほど早川議員が触れられました。事業のうち可能なものは停止または繰り延べの対象として、私も同じく園田西武庫線について考えておりました。 三菱電機と県との間の交渉がどうなっているのかということをしきりに私も市の職員さんに聞くんですけれども、どうもよくわからない。わからないんだったら、話がどうなっているかもわからんもんは待ってもらったらどうかというふうに思いますけれども、そのことも申し上げておいて、全質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○議長(塚田晃君) 酒井一君の質疑は終わりました。 以上をもって、28案に対する質疑を終結いたします。 お諮りいたします。 ただいま議題となっております28案は、議長及び副議長を除く議員全員を委員とする予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(塚田晃君) 異議なしと認めます。 よって、さよう決しました。 日程第29 陳情第5号 下水道使用料減免制度継続等についての陳情を議題といたします。 お諮りいたします。 ただいま議題となっております陳情第5号は、お手元に配付の文書表に記載のとおり、予算特別委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(塚田晃君) 異議なしと認めます。 よって、陳情第5号は、文書表に記載のとおり、予算特別委員会に付託することに決定いたしました。 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 お諮りいたします。 委員会審査のため、明3日から22日まで20日間休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(塚田晃君) 異議なしと認めます。 よって、明3日から22日まで20日間休会することに決定いたしました。 本日はこれをもって散会いたします。                    (午後2時17分 散会) ---------------------------------議長   塚田 晃議員   津田加寿男議員   土田裕史...